本研究では、基課題で得られた知見から、特定の遺伝子を欠損した実験動物あるいはヒト生体を対象として、遺伝的要因が軟部組織(筋、神経、血管)及び伸張性運動前後の骨格筋・関節機能におよぼす影響を検討することを目的としている。具体的には、以下の2つのテーマを進めている。 (研究I) 遺伝子多型がヒト関節柔軟性、身体的特徴に及ぼす影響 (研究II) 特定の遺伝子を欠損した実験動物の骨格筋および結合組織の運動応答 今年度は、渡航前の研究として、国内でも実施可能な研究Iを展開した。大学生を対象にACTN3遺伝子多型、肩関節、肘関節の柔軟性、身体組成を横断的に検討した。被験者は大学アスリートとした。その結果、RRは12名、RXが24名、XXが11名出あった。ACTN3多型別およびアレル別に解析したところ、肩関節・肘関節の柔軟性で多型との関連は認められなかった。この結果は身体組成との関連性においても同様であった。あわせて研究IIについては、渡航前の実験開始は難しいため渡航先研究室で使用可能なノックアウトモデルについて打ち合わせを行った。
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