Erik Gartzke 教授(カリフォルニア大学サンディエゴ校)と進めていた一般抑止に関する共同研究成果の一部が Elements of Deterrence という書籍の一章(Chapter 8. Land: Presence and Credibility)として Oxford University Press から出版された。米国が複数の同盟国を守るためにこれらの国々に同盟国を配置するが、どの同盟国にどれだけ配置するのかというのは、そのときどきの国際環境に応じて変化する。この論文では、ある同盟国を守ろうとして駐留する軍隊を増やせば、政策担当者が期待するように周辺同盟国に対する一般抑止も高めるのかどうかという問いを取り上げている。 計量・数理政治学会とPacific International Politics Conference において、米国の同盟国が近隣諸国との紛争を抱える際、米国による外交的介入がどのような影響をもたらすのかを報告した。米国の同盟国である日本や韓国ならびに米国と特別な関係にある台湾による軍備増強が周辺諸国からの外交的抗議の的になった際、米国が各国の態度を支持した場合と反対した場合に、各国国民の外交的抗議に対する反発がどのように変化するのかを報告した。米国が支持した場合と反対した場合の両方で各国国民の反発を大きくすることが確認された。それゆえ、各国が外交的抗議に直面する形で紛争が生じたとしても、米国のスタンスに関係なく米国の介入は紛争を激化することになる。
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