研究課題/領域番号 |
17KK0078
|
研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
岳 理恵 桃山学院大学, 経営学部, 准教授 (80584911)
|
研究期間 (年度) |
2018 – 2020
|
キーワード | 生産日程計画 / AI / シミュレーション |
研究実績の概要 |
情報通信技術の進展に伴い,製造・サービス分野の情報化・知能化が進められている。特に,製造・ロジスティクス現場では, 原材料,商品,受注,出荷,設備稼働,作業員などのデータを高精度に収集し蓄積できる。これらの大規模なデータには,需要パターン学習,機械予防保全および作業員行動予測など多種多様な知能情報が含まれているため,実用性のある生産・物流日程計画をたてるのに極めて有効である。本研究課題は,製造・ロジスティクス現場で蓄積してきた大規模データを用いて,リスクと不確実性を前もって緩和するのに必要な知能情報を抽出するために, AIを活用する。また,AIによって得られた知能情報をパラメータとしてシミュレーションモデルに組み込むことにより,リアルタイムな意思決定を支援するスケジューリング法の構築を提案する。さらに,提案するアプローチを製造・ロジスティクス現場へ適用することにより,その有効性を検証する。 2019年3月からのデータ整理と分析の段階では,共同研究者L. Luangkesorn博士の協力を得ている。生産・物流日程計画の探索空間上で考慮されるデータ・要因が膨大かつ複雑になると,探索空間の形が複雑になり,実用可能な日程計画を得るために,大量の計算を必要とする。一方,AIとシミュレーションは,オペレーションズ・マネジメント(経営工学)において,幅広く用いられる重要な技術・ツールとなった。過去の半世紀にわたって、両技術は非常に大きな能力をもつようになり,また洗練化されて,いずれも大規模なデータへ応用できるようになってきた。この段階では,特に両技術・ツールに適用可能なデータベースの設計・構築を中心にL. Luangkesorn博士と共同で取り組んでいる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は,製造・ロジスティクス現場の日程管理を取り上げ,AIならびにシミュレーション技法などの先端的経営情報技術を系統的に適用することにより,新しいスケジューリング手法を提案するものである。研究課題を遂行することにあたって,国際共同研究者の協力を得ているため,円滑に進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
次の段階においては、シミュレーションモデルの構築・分析について,AIで得られた知能情報をいかにシミュレーションに組み込むかという技術難点を克服するために,共同研究者やシミュレーションベンダーと共同で取り組むことが不可欠である。 本研究課題について,共同研究者とお互いに了解を得ているため,今後の共同研究も円滑に進めることができる。
|