昨年度では,DX(デジタル・トランスフォーメーション)の有効的なツールとして,シミュレーション技法とAIの併用アプローチが具体的な研究対象の長期生産計画へ適用し,その有効性を確認した。2022年3月からの研究成果統括の段階においては,企業内部や外部で蓄積された様々なデータをいかに融合的に活用して,より詳細な経営意思決定を定量的に支援できるかという経営現場の運営上にある生産・物流日程管理に先端的な情報技術・ビジネスデータの応用事例を中心に研究を進めている。 需要の状況や地域の経済活動状況をダイナミックに反映する公的統計データと研究対象の長期的なオペレーションズ・マネジメントで蓄積してきた種々かつ大規模のビジネスデータを用いて,WSC2023国際学会(Winter Simulation Conference 2023)において,データサイエンスとシミュレーションの併用モデルDSS(Model in Data Science and Simulation)を提案した。特に,研究対象企業の主要品種や類似商品の導入期と終了期を考慮した長期的なライフスパンの経済性分析を通して,提案するアプローチの有効性を確認した。商品の各成長段階におけるパフォーマンスの分析改善に、有効的な情報提供が可能である。 今後,大規模データの分析ツールとして,提案するアプローチをビジネス現場の生産システムやロジスティクスシステムならびにサービスシステムなどの広範囲へ利用し,産業界の関心を喚起したい。
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