微細藻ゴニウムの走光性を数理モデル化した成果は、光環境下の微細藻集団の振る舞いを予測する際の核となる技術である。将来的に有害赤潮藻の行動予測などにもつながる重要な知見である。2体干渉の数値解析で用いた繊毛遊泳モデルは、細胞表面の速度の付着条件と繊毛打による推力を表す新しいものであり、流体力学的に有用な成果である。微生物懸濁液のレオロジー特性を解明した成果は、マクロな連続体スケールの数理モデル化に貢献する成果である。ケンブリッジ大学のGoldstein教授、Pedley教授、Lauga教授と国際共同研究を推進して共著論文を執筆できたことは、日本の微生物バイオメカニクスの国際化に役立つ成果である。
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