今後の研究の推進方策 |
本研究では, 米国のサンアンドレアス断層および世界のプレート境界での繰り返し地震を調査する。2021年度は,カリフォルニア大学バークレー校への渡航が実現したので、今後、現地の環境を最大限生かして研究を進める。カリフォルニアの地震波形に対応したプログラムの開発をすすめ、サンアンドレアス断層の高精度の観測網のデータを用いた研究を進める。そして、東北で見られた周期的スロースリップや階層的地震分布,地震サイクルと微小地震活動の関係などを性質が異なるタイプでどのように見られるかを検討する.世界の繰り返し地震の抽出では、抽出基準を確定させた後, 各地域での分布の特徴について調べる。また、既存の波形相似性のデータベースを用いた世界の繰り返し地震の抽出も行う。計画していた南カリフォルニア大学への短期滞在は,全体の渡航計画が遅れているため, Berkeley滞在後に短期間の訪問を行うかオンラインで打ち合わせを行うことで研究を進める。帰国後は,カリフォルニアおよび世界の繰り返し地震の両方を用い,地域により異なる地質・断層運動を活かした, 非地震性すべりや繰り返し地震の発生メカニズムの理解を進展させる。具体的には,世界の大地震の発生域や地殻変動データを用いたプレート間固着度推定と繰り返し地震・非地震性すべりの関係の調査やプレート境界付近の構造と固着の関係,プレート境界周囲の応力場や地震活動との関係の調査などを各領域での特性を比較しながら行う。
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