地球温暖化の北極海への影響を調査するべく、ドイツの砕氷船を用いた国際観測プロジェクト「MOSAiC」に参加し、計画通りの海氷・海洋の物理プロセスに関する現場調査を実施した。本プロジェクトでは、海水と熱の動きを高頻度に観測するシステムを用いて、海氷直下の熱輸送に関する正確な調査を行った。この調査から海氷が融解してできた低塩分な表層水が、海水が再び結氷するための重要な要素であることが実証された。低塩な解け水があることによって、海水の結氷点が通常の海水よりも高く(0℃に近い)なるため、わずかな冷却でも結氷可能となる。
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