研究課題/領域番号 |
17KK0085
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 雄治郎 東京大学, 地震研究所, 准教授 (30392939)
|
研究期間 (年度) |
2018 – 2022
|
キーワード | 火山噴煙 / 流体実験 / サーマル / プルーム |
研究実績の概要 |
瞬間的爆発的噴火における噴煙ダイナミクスと火山灰輸送メカニズムの理解を目的に、基研究の科研費基盤C課題「瞬間的な火山噴火の災害予測モデル提案」の数値研究と合わせ、パリ地球物理研究所IPGPの研究者の協力のもと実験研究と理論研究を推進している。新型コロナウイルス感染症蔓延により、令和2年度に引き続き令和3年度もフランス渡航を中止した。予定していた追加実験とそれに基づく議論は令和4年度に延期し、これまで得た室内実験データと数値シミュレーション結果の検討を続けた。 数値シミュレーションから得られた噴出条件と噴煙高度の関係は、噴出率・噴出速度・火口半径・噴火継続時間を用いた複数のスケーリング則が候補になった。どのスケーリング則であっても計算結果をうまく説明できるが、より単純で理論的な説明のできるスケーリング則を選定することが今後の課題である。ブルカノ式と呼ばれる爆発的噴火は噴出時間が瞬間的なサーマルで近似されてきたが、噴煙高度が噴出時間にも大きく依存することが計算や実験の結果示された。この結果は、ブルカノ式噴火による災害予測をする上で噴火継続時間を正確に見積もる必要を示唆する。 噴煙高度が噴火継続時間に依存することに伴い、火山灰の上昇高度や地表への堆積分布も噴火継続時間に大きく影響される様子を数値シミュレーションで確認できた。総噴出量が同じであっても噴火継続時間が異なると火山からの堆積距離が変化することがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、令和2年度に引き続きフランスへの渡航計画を中止した。そのため、IPGPでの室内実験と海外共同研究者との作業を延期した。本年度はデータ解析を継続したが、作業の中断のため当初の計画より進捗はやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の渡航での安全性が確保されたら、フランスへ渡航し室内実験の追加とIPGP研究者との議論を進める。一方、本年度に実施した室内実験と数値シミュレーションの結果をあわせた解析を継続する。
|