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2022 年度 実績報告書

ゲージ理論による可積分模型の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17KK0087
研究機関東京大学

研究代表者

山崎 雅人  東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (00726599)

研究期間 (年度) 2018 – 2022
キーワード可積分系 / チャーン=サイモンズ理論 / 位相的場の理論 / 超弦理論
研究実績の概要

物理学の世界では問題が厳密に解けることは稀であり、従って何らかの近似が必要とされることがほとんどである.しかし驚くべきことに、これまでの数学・物理学では厳密に解くことができる模型が数多く見つかっている.筆者はこれまで,今回の海外渡航における受け入れ研究者であるアメリカ・プリンストン高等研究所のEdward Witten教授およびカナダ・ペリメーター研究所のKevin Costelloの両氏と共同で,4次元チャーン=サイモンズ理論という新しい手法を導入し,可積分系の謎の解明にあたってきた.これまでの4次元チャーン=サイモンズ理論の研究においてはもっぱら可積分格子模型が議論されてきたが,本研究においては,まずこの議論を2次元可積分場の理論に拡張することを目指し,その成果をKevin Costello氏との共著論文として発表した.この論文の引用件数はすでに80件を数えるなど,大きな注目を集めている.また,本研究の後半期間では,さらに可積分の1次元格子模型と2次元場の理論との関連についても,4次元チャーン=サイモンズ理論の立場から研究を進めており,現在100ページを超える長大な論文を準備中であり,まもなく公開することができる予定である.この論文ではこれまでごく限られた例でしか議論されていなかった可積分場の理論の格子離散化を極めて一般的な枠組みで議論することに初めて成功した一方,新たな可積分場の理論の双対性を発見するなどの副産物も得られた.また,コロナの影響により海外渡航に影響が出た際にも,計画を一部変更してUC Berkeleyに渡航し,そこでの数学者と4次元チャーン=サイモンズ理論についての新たな共同研究を開始することもできた.なお,本研究の成果をもとに,筆者を研究代表者とする科研費基盤Bが提案され,2023年度より研究が開始されることとなった.今後の更なる発展に期待が持てる.

備考

本研究の成果を含む研究活動について,文書・動画などを通じて積極的に広く社会に発信している.

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022 2018 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] UC Berkeley(米国)2022

    • 年月日
      2022-04-26 – 2022-05-01
    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      UC Berkeley
    • 主な海外共同研究者名
      Yasunori Nomura
    • 部局
      BCTP
    • 職名
      Professor
    • 渡航先外国機関変更承認日
      2022年2月8日
  • [国際共同研究] UC Berkeley(米国)2022

    • 年月日
      2022-02-18 – 2022-03-31
    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      UC Berkeley
    • 主な海外共同研究者名
      Yasunori Nomura
    • 部局
      BCTP
    • 職名
      Professor
    • 渡航先外国機関変更承認日
      2022年2月8日
  • [国際共同研究] プリンストン高等研究所(米国)2018

    • 年月日
      2018-10-01 – 2018-10-31 | 2019-04-102019-05-10 | 2019-11-012019-11-30 | 2020-11-012020-11-30
    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      プリンストン高等研究所
    • 主な海外共同研究者名
      Edward Witten
    • 職名
      Professor
    • 渡航先外国機関変更承認日
      2022年2月8日
  • [国際共同研究] ペリメータ研究所(カナダ)2018

    • 年月日
      2018-04-23 – 2018-05-20 | 2019-10-012019-10-31 | 2020-04-202020-05-20 | 2020-10-152020-10-31
    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      ペリメータ研究所
    • 主な海外共同研究者名
      Kevin Costello
    • 職名
      Professor
    • 渡航先外国機関変更承認日
      2022年2月8日
  • [雑誌論文] Quiver Yangians and Crystal Melting: A Concise Summary2023

    • 著者名/発表者名
      Masahito Yamazaki
    • 雑誌名

      J. Math. Phys.

      巻: 64 ページ: 011101

    • DOI

      10.1063/5.0089785

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Toroidal and Elliptic Quiver BPS Algebras and Beyond2022

    • 著者名/発表者名
      Dmitry Galakhov, Wei Li and Masahito Yamazaki
    • 雑誌名

      JHEP

      巻: 2022 ページ: 24

    • DOI

      10.1007/JHEP02(2022)024

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 可積分系とチャーン=サイモンズ理論2023

    • 著者名/発表者名
      山崎雅人
    • 学会等名
      日本数学会企画特別講演
    • 招待講演
  • [学会発表] Theoretical Engineering of Integrable Models from Extra Dimensions2022

    • 著者名/発表者名
      Masahito Yamazaki
    • 学会等名
      2nd International Symposium on Trans-Scale Quantum Science (TSQS2022)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Crystal Meltings Revisited2022

    • 著者名/発表者名
      Masahito Yamazaki
    • 学会等名
      Hirosifest @ Kavli IPMU
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] Masahito Yamazaki, a physicist/mathematician

    • URL

      https://member.ipmu.jp/masahito.yamazaki/

  • [備考] Masahito Yamazaki 【 山崎雅人(物理学者・数学者)】

    • URL

      https://www.youtube.com/channel/UCz7Jg2ZzDxYwcBU4tDakAlg

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公開日: 2023-12-25  

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