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2021 年度 実施状況報告書

細胞の空間制御による時間制御の仕組み解明及びパターン形成の新たな理論創出

研究課題

研究課題/領域番号 17KK0094
研究機関京都大学

研究代表者

李 聖林  京都大学, 高等研究院, 教授 (50620069)

研究期間 (年度) 2018 – 2022
キーワードパターン形成
研究実績の概要

非対称細胞分裂は多細胞生物の初期発生段階で細胞の多様性を作り出す極めて重要な仕組みの一つである。そして非対称細胞分裂の根本となるプロセスの一つが細胞極性である。線虫の初期胚の母細胞は自分の持つ様々な物質を左右非対称に分布させ、二つの娘細胞にそれぞれ異なる物質を分配することで異なった機能を持つ二つの娘細胞を作り出す。さらに、分裂された娘細胞の一つに非対称細胞分裂機能を持たせ、非対称細胞分裂を繰り返すことによって細胞の多様化を実現する。特に、個々の細胞は適切なタイミングで細胞分裂を行い、それぞれの細胞の位置を決定していく。そして細胞同士の位置関係によって隣の細胞とのコミュニケーションを通じてそれぞれの運命を決定していく。その際に形成される細胞極性は娘細胞の運命決定に極めて重要であり、多細胞段階においては隣の細胞との相互作用によってロバストに極性を制御している。

本現象において、特に細胞の幾何学的性質に注目した研究を国際共同研究プロジェクトで新しく立ち上げた。一つ目の研究は、単細胞の極性形成の仕組みを細胞の幾何学的性質から考察する研究であり、現在数理モデリングの構築を終え、in silico実験を進めている。二つ目の研究は、細胞の幾何学的性質とメカニクスに注目したパターン形成の解明であり、イギリスの研究者らと現在数理モデリングを構築中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2019年度のOxford大学滞在を通じて、イギリス、アメリカ、日本の3カ国の共同研究を進め、国際雑誌に論文を出版した。それ以降もonlineを中心に新しい共同研究を立ち上げ、今現在、二つの国際共同研究プロジェクトを進めている。さらに、2023年度には国際共同研究集会を開く計画も進んでおり、国際的研究連携を一層強化できることが期待される。

今後の研究の推進方策

コロナが完全に終息するまでは、onlineの議論を活用しながら、研究議論を進めていく。 また、研究だけではなく、国際連携を強めるための研究活動も開始する計画であり、2023年度には国際研究会の企画を予定している。 Online世界の利点を最大に活かし、引き続き、イギリスとアメリカの研究者らと国際共同研究を推進していく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [学会発表] Cell polarity, shape, and flow2021

    • 著者名/発表者名
      S. Seirin-Lee
    • 学会等名
      “Cell polarity, shape, and flow ”, RIMS workshop for Mathematical methods for the studies of flow, shape, and dynamics,
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Dynamics of cells and polarity in early development2021

    • 著者名/発表者名
      S. Seirin-Lee
    • 学会等名
      ReaDiNet 2021: An Online Conference on Recent Topics in Reaction-Diffusion System, Biology, Medicine and Chemistry,
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会・シンポジウム開催] Mini-symposium, Diverse quantitative approaches integrating data and modelling in development and medicine, , SMB annual meeting 20212021

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公開日: 2022-12-28  

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