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2020 年度 実施状況報告書

高精度金型設計のための粉体成形シミュレーション技術の実証

研究課題

研究課題/領域番号 17KK0110
研究機関東京大学

研究代表者

酒井 幹夫  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00391342)

研究期間 (年度) 2018 – 2021
キーワード離散要素法 / 数値流体力学 / 符号付距離関数 / 埋込境界法 / 粉体 / 非球形粒子モデル / 楕円粒子モデル
研究実績の概要

本年度、Discrete Element Method(以下、DEMと記す)とComputational Fluid Dunamics(以下、CFDと記す)を連成した数値シミュレーション手法のDEM-CFD法に、符号付距離関数と埋込境界法を組み合わせた壁境界モデルおよびナビエ-ストークス方程式の抗力項の陰解法アルゴリズムを融合したflexible Euler-Lagrange method with an implicit algorithm(FELMI)コードを開発した。既存計算手法から得られた結果および実験結果との一致により、FELMIを用いることにより固気混相流シミュレーションを精度良くかつ安定的に計算できることが示された。さらに、DEM-CFD法の数値シミュレーションにおいて、流体相のナビエ-ストークス方程式の抗力項の安定条件の導出に成功した(抗力項の安定条件が導出されていなかったため、既存のDEM-CFD法(抗力項を陽的に計算する場合)では試行錯誤で時間刻みを決定する必要があった)。また、符号付距離関数と埋込境界法を組み合わせた壁境界モデルを固気混相流に応用した際に、CFDにおけるポアソン方程式の計算において密度スケーリングモデルが極めて重要であることを示した。密度スケーリング則モデルを用いないと、オブジェクト内に不自然な流れが生じてしまうことを示した。これらの研究成果の有用性および独創性が認められ、2報の論文が国際学術雑誌に掲載された。これらの研究成果は、粉末金型充填シミュレーションを安定的に実行し、実現象の再現性がよい計算結果を得る上で極めて重要である。そのため、これらの手法を連続式粉末金型充填シミュレーションに導入した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

基本的に計画通り進んでいる。申請者のグループで開発したFELMI(DEM-CFD法に符号付距離関数と埋込境界法を結合した壁境界モデルおよびナビエ-ストークス方程式の抗力項の陰解法を導入した計算モデル)を用いて、連続式粉末金型充填シミュレーションを実行するための研究開発を進めることができた。研究成果は学術雑誌の論文として出版されている。従って、「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

引き続き、連続式粉末金型充填を対象とした計算モデル(DEM粗視化モデル、非球形粒子モデル、数値計算安定化手法、など)の開発を行う。本研究において開発した計算モデルの妥当性を検証する。粉末金型充填の数値シミュレーション手法を確立するとともに、実験では得ることのできない付加価値の高い計算結果を出力して現象解明も行っていきたい。本研究で行った研究成果を論文としてまとめていきたい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Development of a robust Eulerian?Lagrangian model for the simulation of an industrial solid?fluid system2021

    • 著者名/発表者名
      Mori Yuki, Sakai Mikio
    • 雑誌名

      Chemical Engineering Journal

      巻: 406 ページ: 126841

    • DOI

      10.1016/j.cej.2020.126841

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] On artificial density treatment for the pressure Poisson equation in the DEM-CFD simulations2020

    • 著者名/発表者名
      Mori Yuki, Takabatake Kazuya, Tsugeno Yoshiharu, Sakai Mikio
    • 雑誌名

      Powder Technology

      巻: 372 ページ: 48~58

    • DOI

      10.1016/j.powtec.2020.05.116

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] DEM-CFD法におけるdensity scaling法の有効性検証2020

    • 著者名/発表者名
      森勇稀, 高畑和弥, 柘野善治, 酒井幹夫
    • 学会等名
      化学工学会 第51回秋季大会
  • [学会発表] FELMIによる固気混相流シミュレーションとその妥当性検証2020

    • 著者名/発表者名
      森勇稀, 酒井幹夫
    • 学会等名
      第26回流動化・粒子プロセッシングシンポジウム
  • [学会発表] 最先端粉体シミュレーション技術:理論および産業応用2020

    • 著者名/発表者名
      酒井幹夫
    • 学会等名
      国際粉体工業展東京2020
    • 招待講演
  • [学会発表] DEM-CFDシミュレーションによるロータリー粉末金型充填の最適化設計2020

    • 著者名/発表者名
      柘野善治、高畑和弥、酒井幹夫
    • 学会等名
      日本混相流学会混相流シンポジウム2020
  • [学会発表] DEM-CFDシミュレーションのロータリー式打錠機への応用2020

    • 著者名/発表者名
      柘野善治、高畑和弥、酒井幹夫
    • 学会等名
      化学工学会 第51回秋季大会

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公開日: 2021-12-27  

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