基課題では申請者が開発した3次元走査型原子間力顕微鏡(3D-AFM)をもとに、固液界面に存在するナノ分子鎖の立体構造・空間分布を1分子スケールで実空間計測できる新しい手法を確立することを目指している。すでに長さ1 nm程度の構造自由度が異なるナノ分子鎖モデルを構築し、その実空間分布像の取得に成功している。しかし、AFM計測だけではその可視化メカニズムなど定量的な解釈を深めることは困難であり、ほかの単一分子計測や計算科学と連携する必要があった。そこで本研究課題では、単一分子の蛍光分光・イメージングなど分光学や計算機シミュレーションを専門家と国際共同研究ネットワークを形成することで、多角的な計測・計算手法との連携により界面分子鎖の構造・物性と界面現象の分子スケール理解を大幅に進展させことを計画した。本年度(H29年度)は、来年度の渡航期間の研究課題について計画・スケジュールを作成し、必要な物品や試薬などのリストアップを行なった。また複数の手法で取得したデータを統合し、定量的な比較を行うプログラム作成にも着手した。
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