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2020 年度 実施状況報告書

低分子抗体の生成・PEG化反応を高速化するモジュール化モノリス担体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17KK0116
研究機関山口大学

研究代表者

吉本 則子  山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (40432736)

研究期間 (年度) 2018 – 2021
キーワードモノリス / 断片化抗体 / クロマトグラフィープロセス
研究実績の概要

本研究課題では、低分子化抗体を調製するための断片化酵素を固定したモノリス担体および低分子化抗体を高純度で分離回収するためのモノリス担体を作製し、これらを用いた反応分離プロセスを開発することを目的として研究を行っている。
モノリス担体の作成にはスロベニアのProf. Podogornikの協力を得て実施する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により渡航が困難となり中断している状況である。
このため低分子化抗体の調製方法について、酵素の選定および抗体種および抗体濃度、反応温度、時間等の反応検討を行った。また、調製された低分子化抗体のうちFabおよびFc断片を分析するカラムとしてprotein A、protein L、protein Gが固定化されたアフニティーカラムを選定し、吸着と脱着時のpHの条件検討を行い、溶出物の構造をサイズ排除クロマトグラフィーと電気泳動を用いて解析を行った。
断片化反応については、抗体濃度条件が10mg/mLとし、反応温度は室温から70℃までを検討した。反応温度が高い方が反応はよく進むが60℃を超えると断片化生成物の凝集物が目視で確認された。また、断片化酵素の種類によっては、室温で2時間程度で断片化反応が2割程度進行することが分かった。よって、モノリス担体における反応においても断片化酵素の固定化方法を検討し、室温で実施できる条件を探索する予定である。
また、アフニティーカラムの組み合わせによって、連続的にFab断片およびFc断片を分離回収可能であることも確認できた。このため、今後はこれらのアフニティーリガンドを導入したモノリス担体の作成を検討することとする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

断片化反応および断片化物の解析方法、分離方法の検討については日本側でも検討可能であるが、本研究課題のメインの課題はモノリス担体の作成である。
しかし、基材となるポリメタクリレートモノリス担体の調製は、Prof. Podogornikの研究室で実施する必要があり、現在のところ日本側で単独で実施することは難しいため。

今後の研究の推進方策

抗体の断片化反応については、複数の抗体種での検討を行い、反応操作法の堅牢性についての確認を行う。この課題として、現段階では、抗体濃度が10mg/mLと高い濃度で実施する必要があるため、条件検討で多くの抗体を必要としてしまう。このため、条件検討の際のスケールダウン化が必須であり、マイクロプレートを用いたハイスループットシステムの導入も検討を行う予定である。
また、断片化抗体の分離精製操作においては、操作濃度、処理流量・時間、処理可能量等のプロセスの最適化の検討は不十分である。このため、吸着性能を評価するバッチでの吸着実験やカラム吸着実験、カラムにおける物質移動特性の評価実験を行い、抗体と断片化抗体の違いについて明らかにすることを目指す。
断片化抗体の分子サイズ的には、分離回収においては従来の微粒子担体でも十分な性能が得られる可能性もある。
このため、今後も渡航が難しいようであれば、ポリメタクリレートモノリス担体の使用の必要性について再考し、多孔性微粒子担体や他の膜型担体の代用も検討を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 抗体タンパク質のprotein A固定化クロマト担体に おける吸着現象の熱力学的解析2021

    • 著者名/発表者名
      吉井 秀和, 吉本 則子
    • 学会等名
      第23回化学工学会学生発表会

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公開日: 2021-12-27  

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