研究課題
本課題は,都市居住空間環境において高い危険性や大きな被害をもたらす可能性がある突風や高濃度などの事象である低頻度高リスク環境について,その発生確率と程度を定量的に評価することを目的とした基課題を理論的手法により発展させ,都市域における低頻度高リスク環境の発生機構の解明および都市乱流境界層における統計量普遍則の追求を試みるというものである.R3年度は,R2年度に共同研究者Prof. Dr. J. Finnigan, Dr. E. Patton のもとで実施した共同研究の総括を行った.具体的には,オーストラリアCSIROにおいて,先行研究として進んでいる植生キャノピー乱流場の知見を共にして,申請者が提案する都市キャノピー上の乱流統計値に対する収支式の理論的定式の導出と,最適な数値解析手法に向けた理論的解釈を提案するに至った.複雑建物と単体建物周辺気流の速度分布関数と瞬間風速の評価方法について,国際共同研究の議論をもとに,新たな瞬間風速推定手法を提案した.また,共同研究者がこれまでに実施してきた私植生キャノピーを対象とした乱流フラックスと乱流エネルギーのとスケーリング則についての議論を元に,表面粗度の異なる種々の乱流境界層について,理論的解釈の体系を構築するに至った.加えて,共同研究での議論をもとに,乱流境界層における運動量供給メカニズムに関する新たな解釈を提案し,国内会議にて報告した.以上を持って,本国際共同研究で掲げた理論研究を完遂することができた.
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (7件) 学会発表 (1件)
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