再生医療などが新たな医療産業として注目される中,細胞の大量培養技術への期待が高まっており,細胞の培養,剥離,回収,パターニングといった作業を自動化する意義は大きい.これに対して,培養基材に適切な固有振動モードを励振することで,細胞を剥離する手法や,回収・再播種を伴わない連続的な増殖培養を可能にする手法などの有効性が示されているものの,細胞剥離メカニズムが不明確で剥離条件の最適化などが困難であった.本研究により超音波照射によって細胞接着の力学的特性を明らかにする手法が確立されたため,超音波技術を利用した細胞の自動大量培養技術の普及に向けた理論基盤の構築に貢献でき,学術的・社会的意義は大きい.
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