研究課題
本年度は,基課題と同様にチタン製インプラントおよびセラミクス製インプラントの2種類の素材に加え,3D金属積層造形によって作製したチタン製インプラントも研究対象とした.本研究では,これらの対象材料に対していかにしてマイクロ・ナノ複合構造を創成するかという点に着目して研究を行った.チタン製インプラントに対しては,切削加工によって作製したV溝に対して超短パルスレーザを照射することによって得られる微細周期構造の創成メカニズムについて検討を行った.その結果,切削により作製したV溝内部で創成される微細周期構造は,「光の干渉」の影響を受けることにより一般的な創成原理とは異なる原理に基づいて構造が創成されることを明らかにした.また,得られた複合構造体の生体適合性と関連付けるため,それらの表面の濡れ性について評価を行ったところ,単純な微細構造体と比較して,水の濡れ方が変化することを明らかにした.このような現象を利用すれば,生体細胞や組織との接着性を制御可能であるといえる.セラミクス製インプラントに対しては,レーザ照射条件と照射面の「黒化」との関係について注目して研究を進めた.その結果,セラミクス(ジルコニア)表面にレーザを照射した際に生じる黒化の原因が表層の酸素欠乏であることを見出し,そのメカニズムを示した.また基課題で新たに取り組んだ3D金属積層造形の適用可能性については,積層材とレーザ加工との組み合わせによるマイクロ・ナノ複合構造体の創成について検討し,特殊な複合構造を創成可能なことを明らかにした.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件)
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