研究課題/領域番号 |
17KK0128
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長谷川 洋介 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (30396783)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2020
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キーワード | 血管網リモデリング / 血流シミュレーション / マルチスケール・マルチフィジックス解析 |
研究実績の概要 |
ゼブラフィッシュの脳内の連続2次元顕微鏡画像から3次元血管構造を再構築する画像処理手法を確立した。ノイズ処理、血管連結性の保持を自動的に行うことによって、複数のサンプルの3次元構造を高速に再構築することが可能となった。更に、血管ネットワーク構造を抽出するために、各分岐血管の中心線を抽出すると共に、その端点、分岐点を認識すると共に、血管ネットワークをグラフデータとして自動的に表現するプログラムを開発した。また、ゼブラフィッシュのライブイメージングより赤血球の移動速度から各血管の流速を計測し、今後、数値シミュレーションを行う際の境界条件、および数値計算結果の検証に用いるためのデータベースを構築した。 得られた3次元構造を用いて、散逸粒子法による血流シミュレーションを実施し、血流の可視化を行うことに成功した。実験計測における不確かさはあるものの、数値シミュレーションで再現された流れ場は、ライブイメージングにより推定される速度と定性的な一致を示しており、本研究で構築した画像処理、および数値シミュレーション手法の妥当性を確認した。また、血管の中心線とその連結性のデータから1次元モデルの血流シミュレーションを行うための計算コードを開発し、1次元モデルの血流シミュレーションを実施した。1次元モデルは3次元の流体シミュレーションに比べて計算負荷が小さいため、今後、血管ネットワーク解析に有効なツールとなることが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゼブラフィッシュ脳内の顕微鏡連続画像から3次元構造を抽出するプログラム開発を完了し、これを複数のサンプルに適用することによって、その有効性を確認できた。また、渡航先の教員、ポスドク、博士学生を巻き込んだ共同研究を通じて、得られた3次元構造を現地の計算コードに取り込み、流れ場を計算するための一連のツールの構築ができた。これにより今後、時系列の血管構造データや異なるサンプルの解析を行う基盤が整った。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに開発した、顕微鏡画像からの3次元血管構造の抽出、各分岐血管の中心線、分岐点、端点を自動的に抽出するプログラムを用いて、受精後日数に従って、ゼブラフィッシュの脳内の血管3次元構造の変化を解析する。得られた3次元構造を用いて、3次元の流体計算および1次元モデルによる計算を並列して進めると共に、得られた結果を実験計測と比較し、その妥当性を検証する。また、3次元の流体計算と1次元モデルの比較によって、1次元モデルの妥当性の検証も並列して進める。これらの計算結果より、局所の血行力学因子とリモデリングとの関係を明らかにする予定である。
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