研究課題/領域番号 |
17KK0130
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
中路 正 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 准教授 (10543217)
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研究期間 (年度) |
2017 – 2018
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キーワード | ハイドロゲル / オリゴペプチド / 細胞移植 / パーキンソン病 |
研究実績の概要 |
本研究課題では申請者の基研究課題(若手研究A、H27-30)の成果に基づき、“合成(高分子)”による細胞移植治療のための新規ゲル素材の開発を企図した。基研究では、パーキンソン病の細胞移植治療のための、移植細胞生着率向上および生着細胞のドーパミン神経への終分化促進のためのゲルシステムの開発と再構築させたドーパミン神経網がどのように病態改善に繋がっているのかのメカニズムの解明に関する研究を進めてきた。申請者が開発したゲルシステムの有効性が示される一方で、ベースゲル素材としてブタ由来アテロコラーゲンを使用しているため、①異種移植(ヒト由来ではない)による感染症、②分解産物が炎症・免疫応答など起こる可能性がある。そこで、これらの課題を克服するべく『生分解性合成高分子』かつ『分解産物が生体に無害』なベースゲル材料の開発を着想するに至った。本課題ではオーストラリア連邦科学産業研究機構 (CSIRO): Dr. Thissenが確立したペプチドモノマー合成法(大容量)およびモナッシュ大学: Prof. Forsythe が考案したインジェクタブルゲルの評価技術を取り入れ、新規ゲルの共同開発を行う。 本年度は,採択後より2ヶ月半で,完全合成型ゲルの合成の予備検討(モノマーの選定)などを行った。3月までにオーストラリアへ渡航し,実験計画の詳細を渡航先受入研究者とミーティング等を実施する予定であったが,先方との予定が合わなかったため,スカイプによるミーティングを2回に分けて行い,研究実施計画の詳細を決定した。また,この共同研究に関連して,渡航先受入研究者が主として行っている研究についての共同研究を行うことが決定し,この共同研究課題から,大きな研究ネットワークの形成に発展しつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1月末の採択後から2ヶ月の間で材料の設計指針(モノマーの選定)が完了した点が挙げられる。また,この共同研究課題がきっかけとなり,渡航先受入研究者と新たな研究プロジェクトを立ち上げようという話が浮上しており,本共同研究課題がきっかけとなり大きな研究ネットワーク形成へと波及しつつあることから,進捗としては順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
8月16日より6ヶ月間渡航することが決まっており,現在,ビザ取得や実験に用いるモノマーの合成等,準備を進めている。 8月に渡航後,研究計画に記載した通り,ペプチド修飾モノマー合成,ゲル前駆ポリマーの合成および特性評価,ゲルの構築とその化学的・物性的特性評価を順次進めていくとともに,12月から1月に一時帰国し,動物実験による,安全性・分解性に関する評価も行う予定である。研究期間終了までに,完全合成型ゲルのプロトタイプ完成を目指す。
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