神経細胞は軸索輸送と呼ばれる高速輸送システムによってその機能が維持されている。この軸索輸送においてトラックの役割をするタンパク質がKIF1Aと呼ばれる分子モータータンパク質である。本研究では、KIF1Aの活性が異常に亢進し、軸索輸送が増加することが神経疾患の原因となることを示した。CRISPR/cas9法によるゲノム編集で線虫のKIF1A遺伝子にヒト疾患と同じ変異を導入したモデル生物を作製したところ、KIF1Aの荷物であるシナプス小胞が軸索末端に異常に集積した。TIRF法による1分子運動解析によって疾患変異を持つKIF1Aは活性が亢進していることが分かった。
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