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2018 年度 実施状況報告書

ゼブラフィッシュ胚性ゲノム活性化におけるクロマチン核内配置と転写制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 17KK0143
研究機関東京工業大学

研究代表者

佐藤 優子  東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (70435882)

研究期間 (年度) 2018 – 2020
キーワードエピジェネティクス / ライブイメージング / 胚性ゲノム活性化 / ゼブラフィッシュ / ヒストン修飾
研究実績の概要

本研究は、ゼブラフィッシュ初期胚発生過程におこる胚ゲノム活性化(Zygotic genome activation; ZGA)における、クロマチンレベルでの転写活性化制御機構を明らかにすることを目的としている。
我々はこれまで、ZGA初期の活性化型RNAポリメラーゼII(RNAP2 Ser2phおよびSer5ph)動態をライブイメージングにより観察し、細胞核内でfociに集積することを見出している。平成30年度は、RNAP2 Ser2ph fociと共局在が見られる遺伝子を調べるため、ゼブラフィッシュ胚に対するRNA FISHを行った。ゼブラフィッシュ初期発生過程では細胞分裂が同調している。転写が起こっている間期のタイミングで胚を固定するため、蛍光標識したRNAP2 Ser5ph抗体由来抗原結合断片(Fab)を1細胞期胚へマイクロインジェクションにより導入し、共焦点蛍光顕微鏡下でライブイメージングを行い、RNAP2 Ser5ph fociが出現するタイミングで胚を固定した。まずZGA初期に高発現することがすでに知られているマイクロRNA(miR-430)に対して、4種類のオリゴヌクレオチドプローブを設計し、蛍光標識したものを用いてRNA FISHを行ったところ、64細胞期からシグナルが見られた。また、miR-430を標的とするモルフォリノオリゴヌクレオチドを既報(Hadzhiev et al., Nat. Comm., 2019)を参考にして作成し、Cy3標識したものをAlexa Fluor 488標識RNAP2 Ser2ph Fabと共に1細胞期胚へ導入してライブイメージングを行ったところ、miR-430のシグナルはRNAP2 Ser2ph Fabと共局在することがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では、ゼブラフィッシュ初期胚に対するRNA FISHサンプルの観察は、渡航先であるニューヨーク大学Timothee Lionnet博士の研究室で構築されたDiSPIM顕微鏡を用いて行う予定であった。しかし今回の渡航期間内ではDiSPIM顕微鏡が完成しておらず、他の顕微鏡を使用しなければならなかったため、条件検討等に時間を要した。

今後の研究の推進方策

ゼブラフィッシュ初期胚の間期の細胞に対して、ZGA初期に発現する遺伝子をHybridization chain reaction(HCR、RNA FISHよりも高感度に転写産物を検出できる)により検出し、転写サイトの核内配置を明らかにする。今回検出したmiR-430の転写サイトとの相互関係を明らかにする。また、活性化型RNAポリメラーゼII(RNAP2 Ser2phおよびSer5ph)の免疫染色との共染色を行い、核内配置を明らかにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Quantitative measurements of chromatin modification dynamics during zygotic genome activation2019

    • 著者名/発表者名
      Yuko Sato, Lennart Hilbert, Haruka Oda, Yinan Wan, John M. Heddleston, Teng-Leong Chew, Vasily Zaburdaev, Philipp Keller, Timothee Lionnet, Nadine Vastenhouw, Hiroshi Kimura
    • 雑誌名

      bioRxiv

      巻: 601393 ページ: -

    • DOI

      https://doi.org/10.1101/601393

    • オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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