本研究では、神経突起を先導する成長円錐に含まれる多様なオルガネラ、細胞骨格の相互作用を明らかにする目的で、細胞質の蛍光を照明として細胞内構造の陰影像を取得する、超解像陰影法による細胞内の観察を試みた。蛍光タンパク質を発現させた細胞で、膜オルガネラだけでなく、細胞骨格の一部も検出することができた。成長円錐では、アクチン重合に伴って生じる膜小胞や、アクチン逆行性流動に逆らって伸長方向へ移動を繰り返すオルガネラを可視化できた。またミトコンドリアの分裂時に小胞が近接する過程も検出された。超解像陰影法は多種類のオルガネラや細胞骨格を同時に可視化できる優れた撮影法であることを明らかにした。
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