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2018 年度 実施状況報告書

新規脳内糖化ステロールの代謝酵素の組織化学的局在解析システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17KK0147
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

秋山 央子  国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (80623462)

研究期間 (年度) 2018 – 2019
キーワードグルコシルセラミド分解酵素 / 糖化ステロール
研究実績の概要

申請者らは最近、動物では1種類しか存在しないと考えられてきた糖化ステロールが、脳において一群を成して存在することを発見し、グルコシルセラミド分解酵素として知られているGBA1とGBA2が脳内糖化ステロール群の代謝酵素として機能する可能性を見出した。糖化ステロ―ルの分子種の違いにより、GBA1/2は合成活性や分解活性を発揮することがわかってきた。
GBA1/2の機能不全はパーキンソン病や小脳失調を引き起こすことが知られており、GBA1/2の局在だけでなく、GBA1/2が活性を有する状態にあるか否かが病態発症に重要である。海外共同研究者は、GBA1/2に直接結合することによってグルコシルセラミド分解活性を阻害する化合物のライブラリーを有し、化合物を蛍光色素で修飾することにより、抗体を用いた従来法では困難であった活性を有するGBA1/2を組織レベルで可視化する方法を開発した。本研究では、GBA1/2がもつ様々な糖化ステロール代謝活性について、それぞれの活性に阻害効果を示す化合物をライブラリーよりスクリーニングし、活性特異的な組織化学的局在解析システムを構築することを目指す。
2018年度は、海外共同研究者が有するGBA1/2の阻害剤ライブラリーを利用して、GBA1/2がもつ様々な活性を見分けられる阻害剤があるかどうかを調べた。これまでの解析では、GBA1/2が有する多様な活性を同時に阻害する阻害剤を複数見つけたが、多様な活性を別々に阻害することができる阻害剤は見つけられていない。GBA1/2の活性部位はそれぞれ1つであることが報告されており、阻害剤ライブラリーに登録されている化合物の多くは既報の活性部位に結合する。GBA1/2が複数の活性部位をもつ可能性は否定できないが、今回得られた結果より、GBA1/2がそれぞれ既報の活性部位を利用して様々な活性を発揮している可能性が浮上した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

阻害剤ライブラリーに登録されている化合物を利用してGBA1/2がもつ様々な活性を見分けることが難しい可能性が浮上したことから、研究はやや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

活性をもつGBA1/2については海外共同研究者が開発したプローブを用いて可視化し、酵素反応産物である糖化ステロールについては糖化ステロールそのものを可視化することによって、酵素活性と酵素反応産物の局在情報を重ね合わせる方法を開発していく。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] GBA haploinsufficiency accelerates alpha synuclein pathology with altered lipid metabolism in a prodromal model of Parkinson's disease2019

    • 著者名/発表者名
      Ikuno, M., Yamakado, H., Akiyama, H., Parajuli, L. K., Taguchi, K., Hara, J., Uemura, N., Hatanaka, Y., Higaki, K., Ohno, K., Tanaka, M., Koike, M., Hirabayashi, Y. and Takahashi, R.
    • 雑誌名

      Human Molecular Genetics

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1093/hmg/ddz030

    • 査読あり
  • [雑誌論文] グルコセレブロシダーゼによるステリルグルコシドの代謝制御機構2018

    • 著者名/発表者名
      秋山央子、平林義雄
    • 雑誌名

      生化学

      巻: 90 ページ: 399-402

    • DOI

      10.14952/SEIKAGAKU.2018.900399

  • [雑誌論文] スフィンゴ糖脂質を介したα-シヌクレインの病理的構造変化2018

    • 著者名/発表者名
      秋山央子
    • 雑誌名

      Trends in Glycoscience and Glycotechnology

      巻: 30 ページ: J85-J86

    • DOI

      10.4052/tigg.1813.6J

  • [雑誌論文] Pathological Structural Conversion of α-Synuclein Mediated by Glycosphingolipids2018

    • 著者名/発表者名
      秋山央子
    • 雑誌名

      Trends in Glycoscience and Glycotechnology

      巻: 30 ページ: E111-E112

    • DOI

      10.4052/tigg.1813.6E

  • [学会発表] グルコシルセラミド分解酵素による脳内ステロール配糖体群の代謝制御2018

    • 著者名/発表者名
      秋山央子、井手三津子、佐矢野智子、中西悦郎、上村紀仁、Peter Greimel、高橋良輔、平林義雄
    • 学会等名
      第60回日本脂質生化学会

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公開日: 2019-12-27  

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