研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
グルコシルセラミド分解酵素(GBA)は、脳内新規糖化ステロール(SG)群の合成・分解を担う。GBAの阻害剤ライブラリーを用いた解析より、GBAが同一の活性部位を利用して種々のSG代謝活性を発揮することが判明した。また、質量分析法を用いてマウス脳切片から回収した1 mm2以内の領域からSG群の検出に成功した。活性をもつGBAは阻害剤への蛍光修飾により可視化できるため、酵素活性と酵素反応産物の局在情報の重ね合わせによりGBAのSG代謝活性の組織化学的局在解析が可能になると考えられる。
脂質生化学
SG群の代謝を担うGBAは、その機能不全がパーキンソン病や小脳失調などの難治性神経変性疾患の原因となる。本研究で提案したGBAのSG代謝活性の組織化学的局在解析法を用いることで、SG代謝が難治性神経変性疾患発症の新たな分子基盤となり得る可能性を検証できるようになるため、本研究成果の学術的・社会的意義は大きい。