微生物を用いた物質生産において、生産物の細胞外への排出は生産効率の律速となりうるプロセスである。本研究では、膜不透過性の有機酸の効率的生産の実現を目標として、細胞外への有機酸の効率的な排出を実現するため、有機酸排出を担うトランスポーターの熱力学的解析と分子構造の解明を行った。はじめに、等温滴定によるトランスポーターと基質結合の際に生じる熱量の測定を試み、熱量の測定に成功した。さらに、X線結晶構造解析による分子構造の解明に向け、結晶の作製とX線回折実験をおこなった。また、クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析も実施した。
|