暑熱環境下ではニワトリの増体量は著しく低下するが、そのメカニズムは未だ不明である。本課題では、ニワトリの暑熱時の不利益反応および暑熱への適応応答を明確化することを目的とした。夏季および秋季に採取した種卵より得たニワトリを同一条件で暑熱感作した結果、秋卵ニワトリでは体温、血漿中コルチコステロン濃度、尿酸値、インターロイキン6濃度が上昇したが、夏卵ニワトリではこれらの上昇が低く抑えられることが示された。さらに、メタボロミクス解析の結果、抗炎症物質である3-ヒドロキシ酪酸量が夏卵ニワトリで高く維持されていることが示された。以上より、ニワトリの暑熱耐性には抗炎症力の大小が関与することが示唆された。
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