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2020 年度 実施状況報告書

魚類の鰓抗原取込細胞は抗原提示能を有するか

研究課題

研究課題/領域番号 17KK0151
研究機関東京海洋大学

研究代表者

加藤 豪司  東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (50624219)

研究期間 (年度) 2018 – 2021
キーワード魚類免疫学
研究実績の概要

2020年度はスペインCISA-INIAでの在外研究を予定していたが、新型コロナウイルスの流行により渡航ができず、研究計画が遂行できなかった。
昨年度までにGAS細胞がリソソームを有し、取り込んだ抗原を分解する可能性が示唆されていた。そこで、2020年度はGAS細胞による抗原分解に焦点を当てて研究を行った。まず、GAS細胞による不活化菌体の分解がどのように進むのか調べたところ、浸漬処理1分後では不活化菌体の粒子が鰓上皮表面およびGAS細胞内に観察されたが、30分後では不活化菌体の粒子は観察されず、シグナルはGAS細胞質内に拡散されるように観察された。次に、不活化菌体を浸漬投与したニジマスの鰓から、浸漬処理直後、1時間後、3時間後にGAS細胞を分取し、次世代シークエンサーによる遺伝子発現解析を行った。浸漬処理をしていないニジマス鰓のGAS細胞を対照とし、各経過時間で統計的有意に発現上昇した遺伝子群を解析したところ、アポトーシスに関連した遺伝子群の発現上昇が確認された。以上のことから、GAS細胞は浸漬ワクチンの投与後、30分以内に抗原を分解し、その後はアポトーシスするものと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度はスペインCISA-INIAでの在外研究を予定していたが、新型コロナウイルスの流行により実現できず、GAS細胞の抗原提示に関する実験が実施できなかった。

今後の研究の推進方策

GAS細胞とリンパ球の相互作用についての実験を実施していく。ニジマスに不活化菌体を浸漬投与した後、経時的に鰓組織を採取する。ZAP70はリンパ球に発現する細胞内分子で、哺乳類、魚類を通して保存性が非常に高い。そこで、ZAP70に対する抗体の交差性を利用して、GAS細胞と相互作用するT細胞の様子を免疫染色等で明らかにする。これらの実験は、2021年度中にスペインへの渡航が可能となれば、CISAーINIAでの実施を考えている。

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公開日: 2021-12-27  

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