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2020 年度 実施状況報告書

高塩環境下のイネのイオン恒常性を統御する鍵遺伝子の単離を加速する電気生理解析

研究課題

研究課題/領域番号 17KK0152
研究機関信州大学

研究代表者

堀江 智明  信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (90591181)

研究期間 (年度) 2018 – 2021
キーワード耐塩性 / イネ / 電気生理
研究実績の概要

2020度は、当初の予定だと、2019年度に引き続きタスマニア大学(豪州)の共同研究先へ数か月滞在し、MIFEと呼ばれる電気生理解析技術の取得と実験データの蓄積に励む計画であった。しかしながら、世界的な新型コロナウイルスパンデミックの影響により、予定していた渡豪を実現することができなかった。
一方で、日本国内で進められる関連研究に関しては、一定の成果が得られた。栽培イネ日本晴(Oryza sativa)と野生イネ(Oryza rufipogon)の戻し交雑自殖系統群(BRILs)を利用して、塩ストレス下の若い完全展開葉身をモニターのターゲットとして、耐塩性の度合いに大きな影響を与えるNa, K, Ca, Mgの各元素の蓄積を支配する遺伝子座の絞り込みを継続させた。SIMおよびCIM法によるQTL解析の結果、前述の4元素に対し、概してそれぞれ2, 2, 2, 1か所のQTLを検出した。これらのQTLを保持し、かつ顕著な葉身への蓄積表現型を示すBRIL系統を2-3系統選抜した。残念ながら、2020年度に、それらの系統をMIFEによる解析に使用することはできなかったが、日本国内で推進し得る解析を更に進めている状況である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルスのパンデミックにより、渡豪の機会を完全に奪われてしまい、肝となるMIFE技術の取得の継続や、上記選抜系統の詳細な解析を進めることができなかったため。

今後の研究の推進方策

プロジェクトの一年の延長をお願いし、2021年度も継続中である。まずは、これまで選抜に成功したBRIL系統を中心に、国内で実施可能な全ての実験を遂行する。日本の夏休み期間に、期間を短縮しての最渡豪を試み、自身で選抜系統のMIFE解析を実施する希望があるが、現状を考慮すると現実的ではない。そこで、現在タスマニア大学の共同研究者と協議して、少しずつでも、先方の研究室のメンバーの協力により解析を進めるような体制を整えている。想定していたペースでは解析が進まないとは予想されるが、優先順位をつけて着実に今年度も成果をあげていきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Functions and structure of roots and their contributions to salinity tolerance in plants2021

    • 著者名/発表者名
      Ichirou Karahara, Tomoaki Horie
    • 雑誌名

      Breeding Science

      巻: 71 ページ: 89-108

    • DOI

      10.1270/jsbbs.20123

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Changes in Expression Level of OsHKT1;5 Alters Activity of Membrane Transporters Involved in K+ and Ca2+ Acquisition and Homeostasis in Salinized Rice Roots2020

    • 著者名/発表者名
      Mohammad Al Nayef, Celymar Solis, Lana Shabala, Takaaki Ogura, Zhonghua Chen, Jayakumar Bose, Frans J.M. Maathuis, Gayatri Venkataraman, Keitaro Tanoi, Min Yu, Meixue Zhou, Tomoaki Horie and Sergey Shabala
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 21 ページ: 4882

    • DOI

      10.3390/ijms21144882

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [備考] 信州大学学術情報オンラインシステムSOAR

    • URL

      http://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/profile/ja.OFTmWUDU.html

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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