研究課題
メタボリックシンドロームと脂肪肝を併発するC57BL6/NTac高脂肪食給餌モデル(NTac-DIOマウス)に毒性容量のアセトアミノフェン(150 mg/kg)を単回強制経口投与すると,対照マウスと比べて,急性肝傷害が軽減する.この病態軽減のメカニズムを調べるため,NTac-DIOマウスの肝臓における薬物代謝酵素の遺伝子発現を調べたところ,アセトアミノフェンの代謝に関わるCyp2d22(ヒトCYP2D6のオーソログ),Ugt1a9およびSult1a1の発現低下が認められた.また,F344ラットに高脂肪食を給餌したモデル(F344-DIOラット)では,単純性脂肪肝から肝傷害や炎症を伴う脂肪性肝炎への病態進展が経時的に認められる.この病態進展に伴って,F344-DIOラットの肝臓では,NTac-DIOマウスと同様に,Cyp2d4,Cyp2d3(ヒトCYP2D6のオーソログ),Ugt1a9およびSult1a1の遺伝子発現低下が認められた.以上の結果より,げっ歯類を用いた高脂肪食給餌による代謝性肝疾患モデルでは,特定の薬物代謝酵素群が変動し,薬剤性肝傷害の病態を変化させる可能性が示された.
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