研究課題
コロナ禍により海外渡航ができず、予定していたオンサイトでの研究議論や学会発表などの研究活動が実施できなかった。海外共同研究者の1人であるPilar Llorens博士(スペイン環境評価水資源研究所)を招へい予定だったが、コロナ禍により次年度に招聘することとなった。以上により、補助事業期間を1年間延長する。2018年のアメリカ滞在時に取得し分析したデータについて解析を進め、海外共同研究者と月1,2回のWeb会議を重ねた。論文化に向けてデータを整理し、5つの降雨イベントでの13箇所の樹冠通過雨を抽出し、それぞれの場所での樹冠通過雨の3成分分離を行った。着葉期から落葉後にかけて樹冠の濡れ方と樹冠通過雨の生成過程が変化していく様子の可視化に成功した。ヨーロッパアカマツ林において、林内外の雨の雨滴粒径分布と水同位体組成の時系列変動を調べた。既存の研究で言われている通り、平均的に、降雨初期ほどδ18Oの林内外の差が大きかったが、降雨初期ほど樹冠通過雨に占める飛沫雨の割合が大きく、高い飽差に基づく大きな蒸発要求によって飛沫が蒸発していることが示唆された。降雨中の蒸発経路を、樹冠通過雨の成分分離から明らかにできた。2018年10月にデラウェア大の共同研究者が主催し、招待参加したEttersburg Ecohydrology Workshopにおける議論の成果が、3本の論文として刊行された。世界各国の著名な森林水文学者との交流が深化した。
3: やや遅れている
コロナ禍により海外渡航ができず、予定していたオンサイトでの研究議論や学会発表などの研究活動が実施できなかったため。
現在の状況を鑑みるに次年度もオンサイトでの研究議論や学会発表ができないものと考え、オンラインのみで研究を推進できるようにメールやWeb会議による海外共同研究者との議論を強化し、収集データの解析と論文化を進める。
すべて 2021 2020 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 8件) 備考 (1件)
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http://www.ffpri.affrc.go.jp/press/2020/20201126/index.html