研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
林内外で同時観測した雨滴データを用いて、樹冠通過雨を直達雨・飛沫雨・葉からの滴下雨・樹皮からの滴下雨の4成分に分離する手法を確立した。常緑針葉樹、広葉樹(展葉中)、広葉樹(落葉後)の成分比の違いを明らかにした。アメリカブナ林での野外観測データから、樹冠通過雨の生成過程について降雨イベント内での変動と季節変動を示した。樹種、着葉状況、枝葉の構造や撥水性が樹冠による雨水の分配プロセスに与える影響を明らかにした。
森林水文学
水循環に対する森林の影響評価に必要な樹冠による雨水分配プロセスについて、樹種、葉の有無、葉の量、葉や枝の表面の構造や撥水性が与える影響を解明した。本成果により、森林管理や樹種転換に伴う樹冠遮断損失量の変化を、仮想的に比較・予測することができるようになる。針広混交の育成複層林の造成等へ転換に対応するために、樹種による水源涵養機能の差異を評価するための基礎データとなり、森林の多面的機能に関わる様々な国の施策や社会的ニーズに合致している。