2020年度は新型コロナウイルス感染拡大による渡航制限、研究活動の制限が生じた。そのため、海外での研究活動ができなかった。そこで、オンラインでミーティングを行い、実質的研究活動をおこなった。また、国内で可能な実験を行い、海外での研究活動のバックアップ実験をおこなった。また、昨年度までの研究データを整理し、文献情報の調査研究を中心に研究活動をおこなった。その結果、核内RNA分解経路として新規のタンパク質HNRNPH1を発見した。さらに、分子生物学的、細胞生物学的、生化学的、バイオインフォマティックス解析、を組み合わせることで、新規核内RNA分解機構について、新しいモデルを提案するにいたった。とくに、HNRNPH1とMTR4(核内RNA分解経路で重要なRNAヘリケース)との相互作用を確認した。そのうえ、HNRPH1が核内RNA分解制御をつうじて、自然免疫応答に関与している可能性を見いだした。これらの研究成果をまとめ、現在、海外の共同研究者であるTorben Jensen博士と共著論文として論文投稿中である。
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