研究課題/領域番号 |
17KK0165
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
前川 知樹 新潟大学, 医歯学系, 研究教授 (50625168)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2020
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キーワード | DEL-1 / 骨吸収 / 骨再生 / 歯周炎 / 粘膜疾患 / 骨免疫 / 抗炎症作用 / 肺炎 |
研究成果の概要 |
DEL-1は破骨細胞および血管内皮細胞から恒常的に産生が認められる分子であり,破骨細胞の抑制効果のみならず,骨代謝や間葉系幹細胞に対する作用や制御性T細胞の誘導等,多彩な機能が筆者らのグループによって見出された.DEL-1は炎症や老化に伴い減少傾向を認めることから老化に関係している可能性も高い.歯周炎と肺炎の2つの粘膜疾患を対象とした研究により,DEL-1による破骨細胞および骨芽細胞への作用機序およびDEL-1の発現制御機構が明らかになった.さらにDEL-1誘導による肺炎への応用の可能性が高まった.DEL-1の様々な疾患モデルを持つ海外研究者との共同研究によって飛躍的な研究の発展があった.
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自由記述の分野 |
保存治療系歯学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果によって,歯周炎および肺炎に対する新しい治療戦略を提示することができた.歯周炎においては,歯の周りの組織の炎症により重度な骨吸収が起き,最終的には歯が抜けてしまう.本研究で着目したDEL-1を歯周炎組織に誘導することが可能となれば,歯周炎を抑制するだけでなく,歯周炎によって失われた骨も再生可能である.さらにDEL-1による抗炎症および再生効果は,歯周炎と同様な粘膜疾患である肺炎にも応用することが可能となり,ポスト新型コロナ肺炎での破壊された肺組織の再生にDEL-1が寄与しているデータを得ることができた.今後は,DEL-1による組織再生の詳細なメカニズム解析を行い,臨床への展開を図る.
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