炎症でダメージを受けた大腸粘膜では、上皮細胞と免疫細胞とのクロストークを中心とする粘膜治癒により粘膜が再生されるが、粘膜治癒は複雑なイベントであり、未だ不明な点が多い。そこで、粘膜治癒のメカニズムを解明するために、ミシガン大学医学部との国際共同研究を実施し、これまで炎症性メディエーターとして認識されていたロイコトリエンB4とその受容体BLT1によって調節される粘膜治癒の新たなメカニズムを発見した。すなわち、大腸上皮細胞がBLT1を発現しており、炎症下ではその発現が上昇することで、大腸上皮細胞のBLT1が傷害後の粘膜治癒を促進する役割を担うことを細胞レベルおよび生体レベルにて証明した。
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