文化的・社会的な背景が異なる日本と英国において、社会要因がストレス反応を介して動脈硬化症の発症に至る社会心理学的機序について明らかにすることを目的とした。本研究では、生活習慣、生体指標、動脈硬化指標等、多岐に渡り10年以上追跡した日英コホート研究を用いた。結果として、αアミラーゼは、コルチゾールやテストステロンといったストレスホルモンとは、ストレスに対する反応性が異なり、動脈硬化に関与する機序に日英間で違いがある可能性が示された。また、その動脈硬化への影響は女性において顕著であり、性差による相互作用が存在する可能性も示された。
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