研究課題
予後不良と言われている肺癌でさえ、近年の画像診断の進歩により、根治可能なⅠ期肺癌の検出が可能になり、手術療法への期待は高まっている。しかしながら Ⅰ期であっても根治術後未だ30%は再発する。よって術後化学療法の必要性が問われているが、国内外でもその有用性に関してはコンセンサスが得られていない。よってⅠ期の術後化学療法が必要な予後不良患者(再発高危険群)と不必要な予後良好患者(再発低危険群)を選択する必要がある。 本研究は、Ⅰ期肺癌における再発予測マーカーを構築し、さらに術後化学療法が必要な予後不良患者と不必要な予後良好患者を選択する治療選択マーカーを構築することを目的とした。日本の学習セットおよび米国のバリデーションセットの検体を用いて4遺伝子シグネチャー、病理学的バイオマーカー、HOXA9メチル化、in situ hybridizationによるACTN4遺伝子増幅(2013, Ann Oncol, Noro R)を用いた複数のmodalityを用いたオミックス研究により再発危険群および経過観察群を選択する。 先の基盤研究Cは、FFPE切片からのRNA抽出およびその発現解析、本邦での遺伝子発現解析がなされ、既に上記の診断システムが構築され、さらにHOXA9メチル化、病理学的血管侵襲所見、ACTN4遺伝子増幅などをまとめ様々なmodalityで再発予測そして術後化学療法の有用性を示す診断システムが構築された。バリデーションセットの解析も含め確固たる診断システムの構築のためには代表者が以前所属していたNIHやThomas Jefferson Universityとの共同研究を行い米国での検体での検証も本主研究での遂行が必要である。国内外問はず人種、施設を超えた多施設の検体を用いて多種のオミックスを用いた診断システムの確立は、早期肺癌の根治向けて有用であると考えられる。
3: やや遅れている
本研究は、Ⅰ期肺癌における再発予測マーカーを構築し、さらに術後化学療法が必要な予後不良患者と不必要な予後良好患者を選択する治療選択マーカーを構築することを目的とした。日本の学習セットおよび米国のバリデーションセットの検体を用いて4遺伝子シグネチャーおよび病理学的バイオマーカー、さらには本邦での再発マーカーとして我々が報告したin situ hybridizationによるACTN4遺伝子増幅を用いた複数のmodalityを用いたオミックス研究により再発危険群および経過観察群を選択する。今回はバリデーションセットの解析も含め確固たる診断システムの構築のためには代表者が以前所属していたNIHやThomas Jefferson Universityとの共同研究を行い米国での検体での検証も必要である。そのために、当該年度は、四月の米国癌学会で研究遂行のmeetingをHien博士と行い(2019/3/25-2019/4/7)、両施設分担者と研究内容の確認および実験計画をたて、本年度から次年度に実務を開始する礎を構築した。先方での施設では患者検体の準備を含め当該年度は準備をして頂いている。当該年度の計画では2020/3-2020/4および2020/4-2020/5 、2020/8-9、2020/11-2020/12(予定)にThomas Jefferson Universityとの共同研究を進め、米国検体での以上のmodalityの解析を行う予定であったが、昨今のコロナ感染の影響で渡米できず遂行できていない。また4月終わりに予知されたsan diegoでの米国癌学会では研究遂行のmeetingを分担者、協力者と行う予定であったが、延期となった。しかしながら、状況が改善でき次第、1-3月にかけ渡米、共同研究の再開を考慮したい。
代表者(野呂)はH25-H27にNCI/LHCに留学し肺扁平上皮癌を中心としたバイオマーカー研究(Journal of Thoracic Oncology 2015, 2017, Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2016 )を行っており、責任者であるHarris Curtis博士との信頼関係や研究基盤はできている。また同ラボのHien Dang博士はThomas Jefferson UniversityのPIになり、同じく共同研究を行うことができる。また生物統計の専門家でありアドバイスを得ることができる。施設は肺癌 大腸癌をはじめとした トランスレーショナルリサ―チ研究を行い、FDAへの診断キットの申請など成果を上げている。米国内から多数のFFPE検体が両施設に集められており、既に我々は解析のための研究手法を確立しており、障害なく発現解析に取り掛かることができると思われる。、当該年度は、四月の米国癌学会で研究遂行のmeetingをHien博士と行い(2019/3/25-2019/4/7)、両施設分担者と研究内容の確認および実験計画をたて、本年度から次年度に実務を開始する礎を構築した。先方での施設では患者検体の準備を含め当該年度は準備をして頂いている。当該年度から次年度の計画では2020/3-2020/4および2020/4-2020/5 、2020/8-9、2020/11-2020/12(予定)にThomas Jefferson Universityとの共同研究を進め、米国検体での以上のmodalityの解析を行う予定であったが、昨今のコロナ感染の影響で渡米できず遂行できていない。しかしながら、状況が改善でき次第、1-3月にかけ渡米、共同研究の再開を考慮したい。
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Thorac Cancer
巻: 11 ページ: 1052-1060
Int J Clin Oncol
巻: 12 ページ: 1543-1548