研究課題
人種を超えた、早期肺がんバイオマーカーの開発と臨床応用が目的である。過去に留学し4遺伝子シグネチャーの再発予測システムを構築したNIH Harriss CC博士及びその同僚のHien Dang博士と共同研究を行う予定であった。Covid pandemicの影響で研究協力期間への渡航が許可されていなかったのであるが、webで研究協力機関であるHien博士と交信していながら、バイオマーカー研究を進めていた。4 遺伝子シグネチャーは本邦の検体で当初研究はしていたが、NCIでの扁平上皮癌研究及び国立がん研究センターでの腺癌研究で確立したACTN4遺伝子増幅に関して、実際に術後化学療法の有無のある1140例コホートで術後化学療法のこの再発予測システムを用いて行い、4遺伝子シグネチャーに加えて再発予測システムを構築し、強固なバイオマーカーを構築した。しかしながら、間質性肺炎合併する治療に難渋する肺がんやEGFR遺伝子変異を有する早期肺がんに関してはそちらの再発に伴う依存度が高く別個、再発予測マーカーを立てる必要があった。肺癌手術標本および治療に難渋している間質性肺炎を伴う肺がん検体までHienとの共同研究で薄切標本を得る検体が決定されており現在試料作成段階である。間質性肺炎を有する場合はその症例と背景肺に間質性肺炎を伴わない症例においてCADM1 SPC25(昨年度実績により同定された)がkey因子であることを同定した。また間質性肺炎合併肺がんの血清→エクソソーム取得して特異的なmiRおよびIL-6を中心としたサイトカインを同定押して論文投稿中である。一方EGFR遺伝子変異のある症例でEGFR遺伝子チロシンキナーゼ阻害薬であるOsimertinibがACTN4遺伝子増幅と治療効果が相関しているか否か、またその耐性機構の解明を論文化した。よって早期肺がんはEGFR遺伝子などドライバー遺伝子の有無、間質性肺炎など肺合併症の有無、合併症を持たない通常の肺がんに分けて早期バイオマーカーを構築する必要がある。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)
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