我々は皮下脂肪組織より高効率に褐色化する、新規の脂肪組織を発見し、iBAT (inducible BAT)と命名した。そして、寒冷曝露によりiBAT特異的に発現誘導される35個の遺伝子(CIG1-CIG35)を同定した。この中のCIG1は寒冷曝露によりiBATで最も発現が増加した遺伝子であり、CIG1はヒトiPS細胞から褐色脂肪細胞への分化誘導時には一過性の発現上昇が見られた。一方、寒冷曝露後にはiBATではUCP1陽性細胞にCIG1の遺伝子発現が誘導された。従って、CIG1は発生初期の脂肪細胞の分化とiBATの寒冷曝露時の褐色化という、2つの異なる機能を有することが示唆された。
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