研究課題/領域番号 |
17KK0193
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
星野 祐一 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40718384)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2020
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キーワード | 膝前十字靭帯 / 半月板損傷 / 回旋不安定性 |
研究実績の概要 |
基礎研究となる基盤(C)「前十字靱帯損傷に伴う軟部組織損傷の膝回旋不安定性に及ぼす影響についての調査」において、半月板の合併損傷は、特に外側半月板損傷において、ACL 再建術後の回旋不安定性残存要因である可能性が示された。その結果から、ACL 損傷に伴う外側半月板合併損傷に対する適切な治療が期待されるが、外側半月板損傷に対しての手術方法は確立されたものは無い。関節鏡視下での縫合術と脛骨骨孔を作成し骨内へ固定する修復術などが提案されているがその回旋不安定の改善効果、さらには再建靭帯にかかる力学的負荷への影響は十分に検討されていない。 手術効果のBiomechanics的評価としては、関節力学試験ロボットシステムが現存で最も高精度な評価方法であると考えられる。そこで、今研究の目的はACL 損傷に合併した外側半月板損傷に対する縫合術と修復術の回旋不安定性及び再建靭帯への力学的負荷を関節力学試験ロボットシステムを用いて評価・比較することである。Pittsburgh大学整形外科にはそのロボット機器を保有しており、米国では新鮮凍結屍体膝の入手も可能であり、また、同施設のMusahl先生とDebski先生は屍体膝ロボット実験に関しての知識と経験は十分であり、今回の申請研究は同施設と国際共同研究として行う。 今研究は1年間に延長期間2年を加えた3年間で行う予定であるが、初年度では主に研究環境の準備に時間を費やした。特に大学間での共同研究契約締結に時間を要した。4月(初回)渡航では主に実験環境の準備を行った。共同契約締結が未遂のまま、10月の渡航ではPittsburgh大学の残存する実験資材などを無償にて提供頂き、予備実験にて手術及び検査手順の確認を行ったが、手術法に不備があり、更なる予備実験を要することが判明し、2019年3月の渡航にて2度目の予備実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学間での共同研究契約の締結に時間を要した。最終的に契約締結に至ったのは2018年11月末となった。その時点までPittsburgh大学で使用する研究費が確保できず、十分な研究ができなかった。また、Pittsburgh大学側に無償で提供いただいた試料を用いての予備実験では、手術方法の改善が必要であることが示され、複数段階の予備実験を要することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
現時点では未だ予備実験を要する状態であるが、今後、手術内容を検討・変更し、今年度中には本実験を行うことを計画している。2019年6月にはPittsburgh大学にて行われる前十字靭帯損傷・再建術の国際シンポジウムもあり、同会議でも今研究の内容に関しての議論がある為、それを踏まえて実験方法の修正・改善をすることを予定している。
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