研究課題/領域番号 |
17KK0195
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
馬場 祥史 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (20599708)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2020
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キーワード | Microbiome / Fusobacterium / 大腸癌 / 食道癌 |
研究実績の概要 |
消化器癌におけるMicrobiome(ヒト微生物叢)とエピジェネティック変化(LINE-1≒ゲノム全体のメチル化)の関連を網羅的に解析し、革新的なbiomarkerを開発することが現在実施中の科研費(基課題)の目的である。現在、私たちが構築した500例以上の食道癌データバンクを用いてFusobacteriumという候補microbiomeを同定しえたので、今後は このFusobacteriumが食道癌以外の消化器癌においても意義を有するのかを検討すること が必要である。今回の国際共同研究の目的は、ハーバード大学ダナ・ファーバー癌研究所 Molecular Pathological Epidemiology (MPE) Laboratoryの所有する大規模な前向き疫学コホートのサンプルを用いて、上記A, Bに関して検証することである。申請者は、2019年3月26日に渡米し、9月末までダナ・ファーバー癌研究所で共同研究を行った。ダナ・ファーバー癌研究所のコホートを用いて、大腸癌においてFusobacteriumとautophagyとの関係を示すことができ、共著者として J Pathol誌に発表した。また、大腸癌パラフィン包埋組織を用いたメタボローム解析についても従事し、その結果はMol Cancer Res誌に発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者は、2019年3月26日に渡米し、9月末までダナ・ファーバー癌研究所で共同研究を行った。大腸癌コホートを用いて、Fusobacterium発現の意義に関する検証を行うことができ、現在も解析法などに関して互いに連絡を取り合いながら研究を継続している。よって、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
我々のデータベースで、食道癌のFusobacteriumとLINE-1 メチル化レベル、腫瘍免疫との関係が明らかになっている。今後は、ダナ・ファーバー癌研究所の大腸癌コホートを用いて、これらの関係を検証する予定である。これらのデータはすでにデータベースに登録されており、今後は網羅的解析を実施していく。統合解析の手法に関しては、MPE Laboratoryのbioinformaticianの協力を得ながら行っていく。
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