研究課題/領域番号 |
17KK0197
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
松崎 伸介 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60403193)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2023
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キーワード | SUMO化 / メチル化 / 神経変性疾患 |
研究実績の概要 |
大学業務との兼ね合いで長期滞在可能期間が限られるため、研究の効率化を図るため、複数回の打ち合わせと、研究ツールの立ち上げを行った。 研究打ち合わせとしては、2018年4月、8月トロントにて、2018年7月、11月、2019年2月は大阪・和歌山にて実施した。研究打ち合わせの内容は、長期滞在時(2か月程度を数回予定)に使用するモデルマウス・昆虫の作成計画、その進捗状況についての打ち合わせを行い、トロント・和歌山で実施しているin vitro研究の進捗、ツールの構築についての打ち合わせも行った。また、今回のターゲットとなる痴呆性疾患のヒトサンプルの収集状況についても打ち合わせを行い、本研究の一つの目的であるSUMO化修飾に対する検討を行うべく、ヒトサンプルにおける染色の至適条件を決定すべく、両者が実施した結果をもとに検討を進めた。 本年度の進捗としては、主に以下の5点を実施した。 ①ヒトサンプルに使用可能なSUMO化抗体の決定をすすめ、トロント大学で作成したSUMO1抗体より、市販の方が適していること、SUMO2抗体についてはトロント大学作成のものが良い結果を得られることが明らかとなった。②アルツハイマー病モデルマウスとSUMO1、SUMO2マウスの掛け合わせを行い、必要となるサンプルの作成、採取を実施した。③ゴルジ体の形態維持に関わるSCYL1の発現が小胞体ストレス脆弱性に関与することを明らかとした。④SUMO化の抑制が小胞体ストレス脆弱性に関わる因子Sigma1受容体の発現に関与する可能性を示した。⑤進行性核上麻痺の病理像に重要なタウ蛋白質の沈着にのSUMO1修飾が関与する可能性を示した。 今後はこれらの検討を深めることで、痴呆性疾患における小胞体-ゴルジ体の機能バランスについての検討を深めるとともにタンパク質翻訳後修飾の意義の解明を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者が2回渡航し、共同研究者が3回来日されたこともあり、研究打ち合わせは順調に進んでいる。また、必要となるモデルの作成等も実施されており概ね順調である。ただ、大学関連業務が重なったため、予定していた長期滞在が実施できず、並行して日本で実施する形式で実施した。そのため、サンプル入手、必要物品入手に手間取り予定よりも遅いペースで推移している。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は長期滞在が困難であったが、2019年度は夏季、冬季にまとまった滞在が可能と考えている。さらに、共同研究者の来日も2度予定されており、打ち合わせも問題ないと考えている。2019年度で準備したものを2020年度の本格渡航で完成させる予定である。
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