がんにおけるEMT は10 年以上前から精力的に研究されており、EMTに関連する遺伝子の転写因子制御、翻訳機構、非コードRNAの制御、選択的スプライシングやタンパク質安定性など、様々な分子機構が明らかになっている。しかしながら、EMT特異的な代謝変化およびその機構については不明な点が多い。本研究で、EMTにおける特異的なアミノ酸および核酸の代謝変化が示され、EMTの新しい分子基盤が明らかになった。また、がんEMTおいてアミノ酸代謝酵素のP4HA3および、ピリミジン代謝酵素のCTPSの発現上昇が、重要であることが判明し、その両酵素の阻害剤は新規がん治療薬になる可能性がある。
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