研究課題/領域番号 |
17KT0004
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
木場 紗綾 同志社大学, 政策学部, 助教 (20599344)
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研究分担者 |
本名 純 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (10330010)
岡本 正明 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (90372549)
安富 淳 一般財団法人平和・安全保障研究所, その他部局等, 研究員 (50704673)
中内 政貴 大阪大学, 国際公共政策研究科, 准教授 (10533680)
田中 智仁 仙台大学, 体育学部, 准教授 (00642042)
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研究期間 (年度) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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キーワード | 警察改革 / セキュリティ・ガバナンス / コミュニティ・ポリシング / NGO / 武装集団 / ミンダナオ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「コミュニティ・ポリシング」が複数の国や地域において紛争予防のプロセス、手段、および規範の形成のために機能する条件を学際的に追求することである。 コミュニティ・ポリシングとは、警察と住民の参加協働によって地域内の諸問題の解決を図り、治安の改善や紛争リスクの軽減を目指す取り組みである。もともとは1960-70 年代の米国で、貧困や差別に起因する治安の悪化や都市住民運動の激化への対応策として導入された経緯があるが、のちに世界各地に波及し、近年では、①国内の治安ガバナンスに深刻な問題を抱える新興民主主義国の警察改革の手段の一つとして、また、②地域紛争や内戦後の国家再建とコミュニティの秩序回復、和解のプロセスとしても注目されている。本研究はこのうち②に焦点をあて、実際に国際機関や国際NGO によって②のアプローチが導入された複数の紛争後の国や地域の事例を比較研究し、コミュニティ・ポリシングの機能する条件を探る。 まだ1年目であり、現地調査を1度実施したのみであるが、すでに国際学会でもコンセプトを報告し、順調に進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年度は各自で先行研究や公開資料の収集を行った。各国の研究協力者と分担し、書籍、政府統計、研究所や非営利組織の出版物を収集し、分析を開始した。 2017年11月、立命館アジア太平洋大学で開催された国際会議にて、研究の枠組みに関する報告を行った。 2018年2月から3月にかけてフィリピンの研究協力者2名と共に、ミンダナオのマギンダナオ州にて現地調査を実施し、論文およびコラムをまとめた。論文は7月に発刊予定である。
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今後の研究の推進方策 |
海外の共同研究者と合同で、インドネシア、タイ、ドイツでの調査を実施する。 11月にフィリピン、インドネシア、タイの研究者を招いて広島での国際学会および京都での公開研究会にて報告する。その際に、英語での書籍の出版に向けて具体的な協議を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年5月から11月にかけ、ミンダナオのマラウィで戦闘が発生し、ミンダナオ全土に戒厳令が交付されたため、フィリピン現地調査を中止せざるを得なかった。2018年度以降、治安情勢を注視しつつ再開する予定である。
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