3d遷移金属元素は3d 軌道における電子の局在性・方向性が強く、電子分極率、つまり『電気的なやわらかさ』が低い。したがって、反 応設計において配位子の選択は4dまたは5d遷移金属元素を用いる場合よりも、いわゆる『空間的構造と電子的構造』の観点から厳密に行う必要がある。本研究では、溶液分光学測定における構造解析の結果を基にして、理論化学計算による触媒反応機構およ び触媒機能解析を実施した。得られた知見を基にして、3d遷移金属元素を活用した不斉触媒反応を開発した。TDTSとなる遷移状態構造における、 NCIPlotやNBO解析、CDA解析により、触媒機能解明を実施した。
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