生物を取り巻く環境要因の中でも栄養、特に栄養成分のバランス(栄養バランス)が個体の成長や器官形成に果たす役割については、不明な点が多い。この課題を克服するために、被食者と捕食者との生物間相互作用に着目し、捕食者としてショウジョウバエの幼虫を、被食者としては幼虫がエサとする微生物を研究対象とした。出芽酵母一遺伝子ノックアウト株のコレクションや自然界において幼虫と共生する微生物叢の中から、摂食した幼虫の蛹化が顕著に遅れる、あるいは全く蛹化できない出芽酵母株や微生物種を得た。マルチオミクス解析により、幼虫の成長に影響を与える栄養成分と、摂食した幼虫の応答を捉えつつある。
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