研究課題
基盤研究(B)
サンゴは、宿主動物の造礁サンゴと共生している藻類が共生し、あたかも一つの生物、ホロビオントとして生存する。本研究では、サンゴと褐虫藻のゲノム情報を活用し、複雑なサンゴ“ホロビオント”構成原理の解明に挑んだ。サンゴ幼生への褐虫藻培養株の感染実験と網羅的遺伝子発現解析により、共生に関わるサンゴの遺伝子群を特定した。これらの機能推定や進化的背景が明らかになり、多様なサンゴの共生メカニズムの存在が示唆された。
サンゴ礁生物学
異なる褐虫藻感染株をサンゴ幼生へ感染させて、サンゴの遺伝子発現変動を網羅的に解析・比較することで、サンゴと褐虫藻の共生に重要な、サンゴの遺伝子群を特定することができた。これらのいくつかは、特定のサンゴ分類群で遺伝子重複により独自に誕生しており、サンゴの多様な共生メカニズムの存在が示唆された。さらにサンゴから単離された褐虫藻株、褐虫藻との共生様式が異なるサンゴの全ゲノム解読を行い、サンゴと褐虫藻の共生メカニズムをゲノム科学的に多方面から解析する研究基盤を構築した。