研究課題/領域番号 |
17KT0034
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 裕一 京都大学, 総合生存学館, 教授 (90610858)
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研究分担者 |
家富 洋 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20168090)
水野 貴之 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (50467057)
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研究期間 (年度) |
2017-07-18 – 2021-03-31
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キーワード | サプライチェーンネットワーク / オーナーシップネットワーク / ネットワーク科学 / 国際租税回避 / 多重ネットワーク / コミュニティ解析 / 中心性指標 / 伝統産業ネットワーク |
研究実績の概要 |
本研究では,グローバル化の階層構造をビッグデータとネットワーク科学の手法で見える化し,ヒト・モノ・カネのグローバルな流れに潜むコミュニティの孤立性を表す指標を開発する。そのために,自由貿易を前提とした経済共同体構想を阻害する「コミュニティの孤立化」によりもたらされる「コミュニティ間格差」の実態をネットワーク科学の様々な方法論を用いて解明した。今年度の実績は以下の通りである。 (1)本研究の成果をまとめた書籍が,6月末にSpringer Nature社から出版される。本書は,15章から構成され,図表80枚を含む,約500ページの分量である。最終稿を英語校閲をかけて,2月末に脱稿した。 (2)英文ジャーナルApplied network science (Springer Nature)誌で,11編の論文から成る特集号を完成した。Lead guest editorは池田が担当し,Guest editorsは米国2名,イタリア1名,日本1名の合計4名研究者が担当した。本特集号の内容は,本研究と直接的に関係しており,この課題についての世界的な関心の高まりを反映している。本特集号では,本研究の成果の2本の論文も掲載されている。 (3)グローバル化の表側の現象に関して,(a)世界の企業間取引のネットワーク解析からサプライチェーンの特徴抽出と仮説検証,(b)World Value Surveyデータを基にしたネットワーク解析による東アジアにおける移民受け入れを決める要因の特徴分析,(c)株式所有ネットワーク,サプライチェーンネットワーク解析による世界の製薬開発パイプラインと企業間経済的関係性の相関,などについて,またグローバル化の裏側で進む現象に関して,(d)サプライチェーンネットワーク解析に基づき京都の伝統産業の現代的な産業との比較分析などについて,査読付きジャーナル論文を出版した。
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