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2019 年度 実施状況報告書

人工物システムの適応性を向上させる超能動型CPSに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17KT0043
研究機関大阪大学

研究代表者

中川 博之  大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (40508834)

研究分担者 小林 一樹  信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (00434895)
小形 真平  信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (10589279)
土屋 達弘  大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (30283740)
冨沢 哲雄  防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 講師 (60549707)
研究期間 (年度) 2017-07-18 – 2021-03-31
キーワード人工物システム / 適応性 / 自己適応システム / ソフトウェア工学 / プログラミングフレームワーク / 超能動型CPS / ロボット / 組み込みシステム
研究実績の概要

本研究の目的は,実世界の人工物システムの管理手段として用いられ始めているCPS(Cyber-Physical System)のシステム体系に,ロボットなどの実空間に作用してシステム全体を進化させることのできる作用素を組み込むことで実空間に積極的に作用する超能動型CPSを実現し,超能動型CPSで人工物システムを内包することで,人工物システムの適応性を向上させることである.2019年度は各実施計画に従って以下を実施した.
・サブテーマ1.超能動型CPSにおける実世界指向モデリングおよびデータ分析法の検討:本研究が対象とする超能動型CPSを設計するための,マルチエージェントシステム設計法に基づいたアーキテクチャ設計法を検討,構築した.同研究成果は,国内シンポジウムJAWS2019で発表するとともに,国際会議SAC2020に採録された.
・サブテーマ2.超能動型CPS におけるロボット連携機構の構築:果樹園などの不整地でも活動可能なロボットシステムを設計し,移動部分に関する実装が完了した.
・サブテーマ3.超能動型CPSにおける適応性向上メカニズムの構築:適応性向上のための実装フレームワークに対して,実世界で適用するための検討を進めた.特に,時間的制約に関する機構の追加を検討し,その検討結果を国際会議ECRTS2019にて発表した.また,適応時の検証の負荷を軽減するためのメカニズムについての研究成果をまとめた論文が,Elsevier の学術雑誌The Journal of Systems & Softwareに採録された.
・サブテーマ4.超能動型CPSフレームワークの構築および農園管理システムの開発,実験,評価:実証実験対象となるアプリケーションの実装を進めた.ただし,実証実験を実施する予定であった農園が台風19号に伴う記録的豪雨により浸水被害を受けたため,実地検査・測定は未実施である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

サブテーマ1については,実証実験のシステムのアーキテクチャを設計するために検討した設計法について,概要を定義することができ,その成果を国内シンポジウムおよび国際会議において計2本の論文を発表することができた.また,サブテーマ3に関しても,実世界に有効な自己適応メカニズムの実現に関する研究成果が,リアルタイムシステムに関する国際会議ECRTS2019および,Elsevier の学術雑誌The Journal of Systems & Softwareに論文が採録されるなど,十分な成果を上げることができた.サブテーマ2および,サブテーマ4の実証実験についても検討を進め,実証実験の準備は概ね順調に進んでいる.

今後の研究の推進方策

今年度は,当初の計画通り,各サブテーマの成果をフレームワークとして集約し,実証実験の対象システムとなる超能動型農園管理システムの実装を完了させ,実証実験を実施する予定である.ただし,実証実験を実施する予定であった農園が台風19号に伴う記録的豪雨により浸水被害を受けており,コロナウィルスの感染状況も予断を許さない状態であることから,実証実験が実施できない場合も考えられる.その場合は,シミュレーションや設計モデルによる手法有効性の検証に変更する.

次年度使用額が生じた理由

研究成果については想定以上に論文が採録され,充実した年度となったが,その一方で,実証実験を実施する予定であった農園が台風19号に伴う記録的豪雨により浸水被害を受け,実証実験のための実地検査を実施することができなかった.これにより,ロボットハードウェアの選定が十分にできず,当該予算を繰り越すこととした.また,国際会議での発表のために旅費を計上していたが,コロナウィルスの被害拡大により年度末の国際会議がオンライン開催となったため,当該予算を繰り越すこととなった.これらは翌年度で同目的に利用する予定であるが,コロナウィルスの終息状況や農園の回復状況によっては,使用計画を変更する可能性がある.

  • 研究成果

    (35件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (26件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] A Model Transformation Approach to Constructing Agent-oriented Design Models for CPS/IoT Systems2020

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Nakagawa, Shinpei Ogata, Yoshitaka Aoki and Kazuki Kobayashi
    • 雑誌名

      Proc. of the 35th ACM/SIGAPP Symposium On Applied Computing (SAC 2020)

      巻: - ページ: 815-822

    • DOI

      https://doi.org/10.1145/3341105.3374033

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Opinion Analysis and Organization of Mobile Application User Reviews2020

    • 著者名/発表者名
      Long Wang, Hiroyuki Nakagawa, Tatsuhiro Tsuchiya
    • 雑誌名

      Proc. of the Third Workshop on Natural Language Processing for Requirements Engineering (NLP4RE 2020)

      巻: - ページ: 1-9

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 遺伝的プログラミングを用いた施設レイアウト自動生成の検討2020

    • 著者名/発表者名
      花田響四郎,中川博之,関本章,赤木宏匡,土屋達弘
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 知能ソフトウェア工学研究会(SIG-KBSE)

      巻: 信学技報KBSE2019-46 ページ: 1-6

  • [雑誌論文] ゴール指向要求分析に基づくAI・データ分析案件業務の効率化2020

    • 著者名/発表者名
      奥谷大介,伊加田恵志,中川博之
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 知能ソフトウェア工学研究会(SIG-KBSE)

      巻: 信学技報KBSE2019-49 ページ: 19-24

  • [雑誌論文] 安全性解析支援のための状態遷移系に基づくハザード近接状態検出法の提案2020

    • 著者名/発表者名
      鈴木悠介,小形真平,大池勇太郎,青木善貴,中川博之,小林一樹,岡野浩三
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 知能ソフトウェア工学研究会(SIG-KBSE)

      巻: 信学技報KBSE2019-47 ページ: 7-12

  • [雑誌論文] ロボットの胸部モニターへの表情拡張がユーザの印象に与える影響2020

    • 著者名/発表者名
      田中和弘,小林一樹
    • 雑誌名

      HAIシンポジウム2020

      巻: P-8 ページ: 1-6

  • [雑誌論文] 多値確信度伝達のためのエージェントによる集団音声表出2020

    • 著者名/発表者名
      本戸丈裕,小林一樹
    • 雑誌名

      HAIシンポジウム2020

      巻: P-18 ページ: 1-4

  • [雑誌論文] タスクに応じて服装変化するエージェントがユーザの印象に与える影響2020

    • 著者名/発表者名
      吉原一成,小林一樹
    • 雑誌名

      HAIシンポジウム2020

      巻: P-21 ページ: 1-8

  • [雑誌論文] コマンド認識失敗時に人格を交替する音声対話エージェント2020

    • 著者名/発表者名
      堀 立樹,小林一樹
    • 雑誌名

      HAIシンポジウム2020

      巻: P-31 ページ: 1-6

  • [雑誌論文] 自律エージェントの人格と身体の結合性がユーザに与える影響2020

    • 著者名/発表者名
      松澤涼平,小林一樹
    • 雑誌名

      HAIシンポジウム2020

      巻: P-39 ページ: 1-2

  • [雑誌論文] 高精細画像モニタリングシステムを用いたイチゴ生育画像の計測・蓄積と解析2020

    • 著者名/発表者名
      源野広和,小林一樹,松江英明
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: IT2019-40 ページ: 25-29

  • [雑誌論文] Expression Caching for Runtime Verification Based on Parameterized Probabilistic Models2019

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Nakagawa, Hiromu Toyama, Tatsuhiro Tsuchiya
    • 雑誌名

      The Journal of Systems & Software

      巻: 156 ページ: 300-311

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.jss.2019.07.007

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Using simulated annealing for locating array construction2019

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Konishi, Hideharu Kojima, Hiroyuki Nakagawa, Tatsuhiro Tsuchiya
    • 雑誌名

      arXiv

      巻: 1909.13090 ページ: 1-23

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Finding minimum locating arrays using a CSP solver2019

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Konishi, Hideharu Kojima, Hiroyuki Nakagawa, Tatsuhiro Tsuchiya
    • 雑誌名

      arXiv

      巻: 1904.07480 ページ: 1-16

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 単語の出現頻度と類似性に基づいたトピックモデル洗練化手法2019

    • 著者名/発表者名
      東和幸,高橋仁,中川博之,土屋達弘
    • 雑誌名

      日本ソフトウェア科学会 学会誌『コンピュータソフトウェア』

      巻: Vol. 36 No.4 ページ: 25-31

    • DOI

      https://doi.org/10.11309/jssst.36.4_25

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Towards Real-time Self-adaptation Using a Verification Mechanism2019

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Nakagawa, Hiroki Tsuda, Tatsuhiro Tsuchiya
    • 雑誌名

      Proc. of the 31st Euromicro Conference on Real-Time Systems (ECRTS 2019)

      巻: WiP ページ: 10-12

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Self-Adaptation for Heterogeneous Client-Server Online Games2019

    • 著者名/発表者名
      Satoru Yamagata, Hiroyuki Nakagawa, Yuichi Sei, Yasuyuki Tahara, Akihiko Ohsuga
    • 雑誌名

      Proc. of the 18th IEEE/ACIS International Conference on Computer and Information Science (ICIS 2019)

      巻: - ページ: 65-79

    • DOI

      https://doi.org/10.1007/978-3-030-25213-7_5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Apple growth evaluated automatically with high-definition field monitoring images2019

    • 著者名/発表者名
      Hirokazu Genno, Kazuki Kobayashi
    • 雑誌名

      Computers and Electronics in Agriculture

      巻: 164-104895 ページ: 1-9

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.compag.2019.104895

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] エージェント指向設計に基づいたCPS/IoTシステム設計の有効性に関する考察2019

    • 著者名/発表者名
      中川博之,小形真平,青木善貴,小林一樹
    • 雑誌名

      合同エージェントワークショップ&シンポジウム2019(JAWS2019)論文集

      巻: - ページ: 204-211

    • 査読あり
  • [雑誌論文] LoRa Communication Maps of Medium-sized Rural City in Japan via Community Bus Services2019

    • 著者名/発表者名
      Ken T. Murata, Kohei Mizutani, Yoshiaki Muroyama, Kazunori Yamamoto, Kazuya Muranaga, Takamichi Mizuhara, Praphan Pavarangkoon, Kazuki Kobayashi
    • 雑誌名

      Proc. of the 5th IEEE International Conference on Cloud and Big Data Computing (CBDCom)

      巻: - ページ: 1054-1059

    • DOI

      https://doi.org/10.1109/DASC/PiCom/CBDCom/CyberSciTech.2019.00189

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 確率的モデル検査器を用いた制御ループの定量的検証の試案2019

    • 著者名/発表者名
      青木善貴,小形真平,小林一樹,中川博之
    • 雑誌名

      ソフトウェア工学の基礎ワークショップ FOSE 2019

      巻: - ページ: 115-120

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 確率的モデル検査器を用いたFRAM モデル理解の支援2019

    • 著者名/発表者名
      青木善貴, 小形真平
    • 雑誌名

      ソフト ウェアエンジニアリングシンポジウム2019 (SES 2019)

      巻: - ページ: 116-125

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 文書間の類似度に基づいたトレーサビリティリンクの精度向上手法の検討2019

    • 著者名/発表者名
      東和幸,中川博之,土屋達弘
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 知能ソフトウェア工学研究会(SIG-KBSE)

      巻: 信学技報KBSE2019-27, SC2019-24 ページ: 25-30

  • [雑誌論文] word2vecとゴールモデルの階層性を利用した類似ゴール検出方法の提案2019

    • 著者名/発表者名
      石川公一,小形真平,中川博之,岡野浩三
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 知能ソフトウェア工学研究会(SIG-KBSE)

      巻: 信学技報KBSE2019-23, SC2019-20 ページ: 1-6

  • [雑誌論文] 不具合原因分析支援のためのNuSMV反例解析手法の試案2019

    • 著者名/発表者名
      大池勇太郎,小形真平,青木善貴,中川博之,小林一樹,岡野浩三
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 知能ソフトウェア工学研究会(SIG-KBSE)

      巻: 信学技報KBSE2019-24, SC2019-21 ページ: 7-12

  • [雑誌論文] 確率的モデル検査器を用いたFRAM支援手法の試案2019

    • 著者名/発表者名
      青木善貴, 小形真平
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 知能ソフトウェア工学研究会(SIG-KBSE)

      巻: 信学技報KBSE2019-8 ページ: 49-56

  • [学会発表] WHILL Model CRを用いた自律移動ロボットの開発 ~課題挑戦編~2020

    • 著者名/発表者名
      宮﨑裕輔, 李珠熙, ファンアンソン, 冨沢哲雄
    • 学会等名
      つくばチャレンジ2019シンポジウム
  • [学会発表] WHILL Model CRを用いた自律移動ロボットの開発 ~機体編~2020

    • 著者名/発表者名
      押部樹希, 坂本徹, 東澪, 宮﨑裕輔, 冨沢哲雄
    • 学会等名
      つくばチャレンジ2019シンポジウム
  • [学会発表] NuSMVの反例に対する 自動検証による解析支援ツールの試作2019

    • 著者名/発表者名
      大池勇太郎, 小形真平, 青木善貴, 中川博之, 岡野浩三
    • 学会等名
      第51回組込みシステム研究発表会
  • [学会発表] FRAMモデルの可読性向上のための支援2019

    • 著者名/発表者名
      青木善貴, 小形真平
    • 学会等名
      AI/IoTシステムの ための安全性シンポジウム FRAMワークショップ
  • [学会発表] 制御ループの振る舞いの定量化によるFRAMモデルの可読性 向上の試案2019

    • 著者名/発表者名
      青木善貴, 小形真平
    • 学会等名
      第17回ディペンダブルシステムワークショップ(DSW 2019)
  • [学会発表] 農園画像における深層学習を用いた隠れ果実領域の抽出2019

    • 著者名/発表者名
      高井亮磨,小林一樹
    • 学会等名
      第33回人工知能学会全国大会
  • [学会発表] 深層学習を用いた鳥行動に基づく追い払いシステムの開発2019

    • 著者名/発表者名
      小林一樹,下林史弥,寺田和憲,吉河武文,佐藤寛之,土屋博之,Atchariyachanvanich Kanokwan
    • 学会等名
      第33回人工知能学会全国大会
  • [学会発表] 時系列パターン解析による測域センサデータの異常検出2019

    • 著者名/発表者名
      冨沢哲雄, 戸島淳
    • 学会等名
      第20回計測自動制御学会SI部門講演会
  • [学会発表] 初めて訪れた屋内環境における自律移動に関する研究2019

    • 著者名/発表者名
      宮﨑裕輔, 李珠熙, ファンアンソン, 坂本徹, 東澪, 押部樹希, 林周瑚, 冨沢哲雄
    • 学会等名
      第20回計測自動制御学会SI部門講演会, 2F1-05

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公開日: 2021-01-27  

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