研究課題/領域番号 |
17KT0046
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
西原 広史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任教授 (50322805)
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研究分担者 |
松崎 典弥 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (00419467)
角五 彰 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (10374224)
柳 輝希 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (50755973)
繁富 香織 北海道大学, 高等教育推進機構, 特任准教授 (90431816)
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研究期間 (年度) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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キーワード | 褥瘡 / 肉芽 / 良性・悪性 / 人に皮膚モデル |
研究実績の概要 |
本研究の目標は、「複雑系疾病である褥瘡・皮膚潰瘍の個別化を通じて、治療の最適化および新規治療法の開発をおこなうこと」である。この目標を達成するた めに、1)臨床皮膚検体を用いた分子生物学的手法による褥瘡の発生・創傷治癒遅延メカニズムの解析、2)Ex vivo機能性皮膚モデルの樹立と褥瘡発症機構の解明、3)機能性皮膚モデルおよび臨床検体を用いた機械的治療法による創傷治癒メカニズム(特に陰圧閉鎖療法)の解明、4)メカノセンサー候補分子の制御による皮膚潰瘍の新規治療法探索をおこなう。 1)臨床検体を用いた褥瘡発生・創傷遅延メカニズムの解析⇒褥瘡皮膚潰瘍部200検体(同一患者からの治療前後の検体を含む。既に100検体は採取済み)を採取し、臨床-病理学的検討を実施した。現在、論文投稿準備中 2)Ex vivo機能性皮膚モデルの樹立と褥瘡発症機構の解明⇒毛細血管・リンパ管網を作製するために、真皮層の線維芽細胞で臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)や正常ヒト皮膚リンパ管微小内皮細胞(NHDLMEC)のサンドイッチ培養を実施。条件検討は終了。 3)機能性皮膚モデルおよび臨床検体を用いた陰圧閉鎖療法による創傷治癒機構の解明⇒陰圧治療の際に、細胞や組織にかかる引張・圧縮などの機械的なストレスがどのように細胞レベルでおっているかを検証するための装置開発を開始。チャンバー内の圧力を調整(減圧・加圧)することにより印加する方法を検証中。 4)メカノセンサー候補分子の制御による細胞応答変化の解析⇒今年度に実施予定
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒト検体での論文執筆が遅れている。 ただ、最終年度中には投稿まで行ける見込み。
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今後の研究の推進方策 |
1)臨床検体を用いた褥瘡発生・創傷遅延メカニズムの解析⇒褥瘡皮膚潰瘍部200検体(同一患者からの治療前後の検体を含む。既に100検体は採取済み)を採取し、臨床-病理学的検討を実施した。次年度中に論文投稿。 2)Ex vivo機能性皮膚モデルの樹立と褥瘡発症機構の解明⇒毛細血管・リンパ管網を作製するために、真皮層の線維芽細胞で臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)や正常ヒト皮膚リンパ管微小内皮細胞(NHDLMEC)のサンドイッチ培養を実施。条件検討は終了したので、皮膚由来細胞を用いて検討を開始。 3)機能性皮膚モデルおよび臨床検体を用いた陰圧閉鎖療法による創傷治癒機構の解明⇒陰圧治療の際に、細胞や組織にかかる引張・圧縮などの機械的なストレスがどのように細胞レベルでおっているかを検証するための装置開発を開始。チャンバー内の圧力を調整(減圧・加圧)することにより印加する方法を検証中。次年度初頭で条件検討を終了する予定。 4)メカノセンサー候補分子の制御による細胞応答変化の解析⇒今年度に実施予定
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次年度使用額が生じた理由 |
条件検討が終わらず、皮膚由来細胞を用いた本実験に進めなかったために、研究費の未使用分が発生した。しかし、条件検討がほぼ終了したことで、次年度は遅れている分を含めて、すべての研究費を消費予定である。
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