マクロファージは極めて多彩な機能を発揮する。例えば、生活習慣病と癌の基盤病態である慢性炎症では、その開始から遷延化、組織機能障害まで、すべてのプロセスで主要な働きを示す。一方でマクロファージは組織の恒常性を維持する機能も持つ。そのため、マクロファージ機能の変調は、組織機能障害をもたらすことが想定される。本研究では、マクロファージの内因的(由来や老化)と外因的な要因との交互作用によってどのようにマクロファージの多様性がもたらされるかを、エピゲノムと1細胞レベルの変化を中心に解析した。また、老化や心不全に伴って、心臓組織マクロファージが心臓を保護する作用を失う可能性を見いだした。
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