研究実績の概要 |
DDSが腫瘍血管のところどころで水道管破裂のような噴出が起こる、過去に報告のない現象を発見した(Nature Nanotechnology, 2016)。腫瘍血管に一時的な破綻が生じ、そこから急速に高分子ナノDDSが噴出し、その後徐々に腫瘍組織に拡散する様子が判る。申請者はこれを「nano eruption」と命名し解析を進めている。本研究は申請者が発見したnano eruptionという現象を詳細に調べ、癌の病態進行との関連およびメカニズムを解明し、これを人為的に制御して抗癌治療に応用することを目的とする。研究計画に基づき、2017年度は①高分子ナノDDSを用いた腫瘍内動態の観察、⑤Nano eruptionの画像解析、の2項目を進めた。また2018年度は③末梢血圧・血流速度とnano eruption、④低酸素領域、細胞増殖、遊走能とnano eruptionとの相関、の2項目を進めた。研究の過程で、nano eruption発生直前に近傍の血管内腔に高輝度vesicleが発生するという現象を発見したため、これも別途研究計画を立てている。
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